ホンダは昨年12月22日、Googleを傘下に持アルファベット社の自動運転研究開発子会社「ウェイモ」と、米国で自動運転技術領域の共同研究に向けた検討に入ったと発表。
いち早く自動運転の実用化に取組んで来たGoogleの知見を活用することで、ドライバー不要の完全自動運転車(レベル4)の早期実現を目指しており、今年1月に米ラスベガスで開催された「CES2017」では、人とのコミュニケーションを 行うAI技術「感情エンジンHANA」を搭載したEVコミューター「NeuV(ニューヴィー)」を公開するなど、話題になりました。
同社によると、連結子会社である「HRI」(ホンダ・リサーチ・インスティチュート)が、AIの情報セキュリティー領域において米国のボストン大学と共同研究を開始することで合意したそうです。
人の感情を理解し共感できること、人に寄り添い共に成長していくこと、主役である人の可能性の拡大など、「人と協調するAI」の開発を目指すとしています。
AIが人と協調するためには、利用者の個人情報を収集、分析することが必要で、それらの情報を守るためには、信頼性の高い強固なセキュリティー技術が必須となります。
そこで、ホンダはセキュリティー領域の研究を加速させるため、ボストン大学のコンピューティング&計算科学・工学ラフィク・ハリリ研究所を共同研究の戦略的パートナーに選出。データを秘匿したまま計算処理を行うための暗号化技術を用いた「データプライバシーコントロール技術」の研究を行うそうです。
同プロジェクトではデータセキュリティー技術の実現を目指しており、将来、AIを搭載したモビリティやロボットが、信頼できる家族のようになり、生活の一部として人に役立つ社会を描いている模様。
ホンダは4月から京都大学 大学院情報学研究科とも新たなAIの共同研究を開始しするなど、積極的にAIの活用に向けた研究を進めており、同社が開発した 本格的な二足歩行ロボット「ASIMO」のみならず、自動運転車への適用が進むものと予想されます。
このようにトヨタやホンダはAIの本格活用を目指しており、今後、両社の主製品である自動車は単なる移動手段としての機能に留まらず、人間の可能性を拡大してくれるパートナーのような存在になる可能性が出て来ました。
(Avanti Yasunori・画像:HONDA、TOYOTA)
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