最近の報道もあって、ペダル踏み間違い事故は高齢ドライバーによるものが多い印象を受けますが、70歳以上だけでなく、29歳以下の若いドライバーも多くなっています。
マツダの衝突回避支援・被害軽減技術に含まれている「AT誤発進抑制制御」は、約10km/h以下の徐行時や停止時に、前方もしくは後方に障害物が検知された状態で必要以上にアクセルを踏み込むと警告音とメーター表示で注意を促すだけでなく、エンジン出力を抑えて急発進を抑制します。
フロントウインドウもしくはバンパーに設置されたレーザーセンサーを使い(後退時はリヤバンパーの超音波センサー)、車両や壁などの障害物を検知するもので、作動条件はありますが、ペダル踏み間違いによる事故を軽減もしくは回避してくれる効果が期待されます。
また、マツダでは、ペダル配置の適正化を新世代商品で推進しています。高齢ドライバーの疑似体験では、ペダル配置の最適化による効果も実感できました。
従来のモデルでは、ブレーキとアクセルペダルの間が狭く、段差が大きいため手前にあるブレーキに引っかかる感覚が強くなります。さらに、ブレーキとアクセルペダルを交互に踏むことも強く意識させられます。
これは、関節可動域(運転席に自然に座った状態で、股関節とかかとを軸に足を回転させる角度である「内旋」という角度)が加齢とともに小さくなるためで、高齢者は若年層よりも10°程度も動きにくくなるそう。
万一の際には、ペダル踏み間違い防止機能により安全性を担保しつつ、普段の「運転のしやすさ」という視点もクルマ選びの際に考慮することをとくに高齢者ほど必要なのかもしれません。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)