冒険心を感じる世界観を創りたい ─ 新型スバル・XVのデザインが目指したもの(前編)

── 上下に約25ミリ伸びたグリルの周囲は、シルバーではなくブラックでまとめたのが特徴です

「ここはトレッキングシューズをモチーフとして、がっちりしたソールのイメージなんです。また、グリルの左右両端には、フットボールのヘルメットを意図したガードパーツも施しているんですよ」

── ブラックのパーツで質感を表現するのは難しいと思えますが?

「ええ、シルバーを外すのは確かに勇気が要りましたね(笑)。今回、アンダーグリルからもシルバー素材を外したのですが、形状自体にリズムを付けるなどをした結果、社内の評判はなかなかいいんですよ。それと、シルバー色については、今回ウイング部分やサイドウインドウで使っていますので、全体としての質感は出せていると思います」

インプレッサとはまったく異なるモチーフを想定し、独自の世界観を標榜したXV。もっとも印象的なフロントフェイスでそれを打ち出したのが印象的です。後編では、ボディのサイド面からお話を伺います。

[お話を伺った方]

株式会社SUBARU
商品企画本部 デザイン部
デザイン部長兼商品開発企画部長 石井 守 氏

(インタビュー:すぎもとたかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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