冒険心を感じる世界観を創りたい ─ 新型スバル・XVのデザインが目指したもの(前編)

先代は、インプレッサシリーズ販売台数のほぼ半数を占める人気車種となったXV。今回のデザイン・インタビューでは、新型となったインプレッサとの違いを中心に話を伺います。

── はじめに。XVはインプレッサがベースですが、開発自体は同時進行だったのでしょうか?

「はい。スバルとしては両車は別車種と位置づけていますが、実際にはほぼ同時でしたね。新しいインプレッサ5ドアのスポーティさと、XVのしっかり感をどうやって両立させるかの検討を行いました」

── その「しっかり感」を出すための基本的な考え方はどこにありましたか?

「インプレッサの上屋のスポーティさを残しつつ、下回りをガッチリたくましい表現にすることで、強いコントラストを出したかった。ただ、やはりあくまでもXVとして、人気だった先代をどう進化させるかが優先されたと思います」

── では新しいXVとして、造形上の独自のキーワードはあったのですか?

「ファン・アドベンチャーですね。商品というより、XVの世界観を創りたいという趣旨から考えたものです。ユーザーの方に乗っていただき、あたかも冒険をしているかのような楽しさを感じてほしい」

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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