EV・リーフと同じ最高出力80kWがノートe-POWERにもたらす「余裕」とは?

日産が社内向けに行っている技術発表の「うんちく大会」がプレスにも披露されました。

日産ノートe-POWERは「試乗してもらってなんぼ」である一方、販売会社の人に話を聞くと「乗ってもらえればこれだけ売りやすいクルマもない」そうです。

それはリーフも同じで、ノートe-POWERを乗りに来て良さに気がつき、リーフを指名するケースもあるそうですから、e-POWERがノート以外の車種にも拡大すれば、リーフなど純バッテリーEVの拡販にもさらにつながるかもしれません。

「モーター駆動の走り」というパートでは、少しモーター駆動の走りから外れるものの、最後に構成ユニットの出力設計についても解説がありました。

ノートe-POWERの出力を担うのは、発電を担当するエンジン、発電機、発電モーターの3つがあります。駆動用モーターの最大出力はリーフと同じ80kWで、「ノートの車格で必要な動力性能を出すために、80kWは欲しい」として決まったそう。

バッテリーは、「低頻度で短時間」使用するという考え方のもと、バッテリーのみでも高出力を出すという仕組みで、エンジンを駆動に使わずにモーター走行が可能なのはご存じのとおり。バッテリーは40kWくらいの出力となっているそうです。これはコストや積載スペースなどのシステムのバランスを考慮して決定されています。

つぎに、エンジンの発電パワーは50kWくらいで、日本国内の坂道や高速道路を走れる出力として導き出されています。エンジンの発電出力でまかなえれば、ガソリンがあれば走り続けられるという計算から。

基本的に短時間であるフル加速時には、バッテリーとエンジンを足して(単純に足すと90kWになりますが)最高出力として80kWと設計されています。

なお、最高速は駆動モーターの回転数の上限などをもとに150km/hくらいに設定されていて、巡航時であれば最高速時付近でも80kWまでは必要ないそう。出力が大きいほど余力が出ますが、車両重量がリーフよりも200kg以上軽いぶんノートe-POWERの方が加速性能において有利になるのもポイントです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、日産自動車)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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