DSはこれまでもディティールの造り込み、フランスならではのライフスタイルとそのノウハウを前面に出してきたが、DS 7クロスバックは最高峰だけにその可能性を極限まで追及してきた。
ウッド調の「フォブール」インテリアには嵌木細工を思わせるパネル使いもあれば、メタル調の「リヴォリ」では時計の文字盤によく見られるクルー・ド・パリと呼ばれる彫り模様を入れたメタルのパネルあるいはステアリング上のダイヤルなど、いわゆるメゾン・ブランド的な造り込みを随所に採り入れている。
レザー内装を担当する職人いわく、クルマの内装で難しいポイントのひとつは、ダッシュボードの大きな面積に張るのに傷のない革を選ぶことだそうで、確かに内装の至る部分にまで乗員を包み込むように張り巡らされたレザー内装は、Cセグメント離れしたラウンジ的クオリティを感じさせる。
ちなみにパリの通りや地名からとられた各インテリアの仕様は、他にエナメル調の「オペラ」やファブリックの「バスティーユ」がある。後者もダッシュボードのソフトウレタンには、型押し模様の凸部にゴールドのニュアンスを被せたり、ジャガード織りを思わせる立体感ある生地を用いることで、入門グレードながら独特のパリ風タッチを実現している。