DSの新旗艦モデル「DS 7クロスバック」をパリで発表

かくして内装はパーソナライズの極致といえるが、オーナーシップをくすぐるための演出は外観にも表れている。DSが掲げる「リュミナス・シグネイチャー」の最新解となる、独特のフルLED コンビネーションランプ「DSアクティブLEDヴィジョン」のことだ。

駐車中や市街地、高速道路など走行状況に応じて5種類の点灯モードを自動的に切り替え、自らの視界のみならず外からも見えやすくるという。

ちなみにモノグラムと3D効果を強調したリア側ランプにも見られる、魅入らせるための工夫において、フロント側はさらに一歩踏み込んだ。片側3灯+ハイビーム1灯という構成だが、点灯時と消灯時に、内側から3灯のバルブひとつひとつが180度回転し、ライトオン・ライトオフとなるのだ。

照らすという機能には別にまったく貢献しない演出だが、当然ステアリング舵角に連動して照射方向を変えるディレクショナル・ヘッドライトであり、市販車でその元祖といえば確かに昔のDSにまで遡る。しばしば別名「光の街(ville de lumière)」と形容されるパリにもちなんでいるだろう。だからこそ、このキラキラ演出はよくよく練られたDS独自のシグネイチャー(署名)といえるのだ。

 

走行面に関する特徴は、やはり最新世代のADAS(先進運転支援システム)による機能が挙げられる。

30km/h以上で設定した後は0~180㎞/hで作動するアダプティブ・クルーズ・コントロールや、高速道路での車線保持をパッケージした「DSコネクティッド・パイロット」の他、最新世代のパーキング・アシストなどを備える。

また「DSセーフティ」という安全パッケージも備え、赤外線センサーで歩行者や動物を検知するナイトヴィジョン機能や、ドライバーの瞼の動きをモニターして警告を与える機能なども搭載される。

だが走りに関してもっとも注目すべきは、DSが自ら「21世紀のDSサスペンション」と題する「DSアクティブ・スキャン・サスペンション」だ。

これはカメラで5m先の路面を絶えず読みこみ、凹凸に合わせて最適化した減衰力を導き出された、4輪それぞれのショックアブソーバーが独立して作動するというものだ。

かくしてDSは卓越したフラットライドと静粛な乗り心地を実現しているという。カメラ制御によるライドコントロールは無論、Cセグメントでは初搭載である。

 

しかもこのライドコントロール機能のために開発されたリアのマルチリンク式サスペンションは、13kWhのリチウムイオン・バッテリーと100ps強の出力となる電気モーターを組み込んだ後車軸モジュールに発展予定で、PHEV版が2019年に欧州発売とアナウンスされている。