トヨタがTNGA戦略で全面採用する「EtherCAT」とは?

同社の先進技術開発カンパニー 工程改善部大倉部長によると、「EtherCAT」の全面採用を決定した背景には、ベッコフがリリースした新技術「EtherCAT P」が決め手になったそうです。

「EtherCAT P」は、高速データ通信と電力供給を1本のケーブルで可能にする「USB」的な省配線技術で、コスト削減と設置スペースの削減が可能になります。

トヨタでは、THS(トヨタハイブリッドシステム)、マルチステージハイブリッドシステム、ダイレクトシフト8速AT、排気量2.5Lの新エンジンを始めとするTNGA開発を次々に進めており、これらのエコカー戦略を支える生産設備のTNGA化を併せて進めていく必要があり、今後TNGA生産ラインは、これまでに無い規模とスピードでグローバル展開が図られる模様。

こうした状況のなか、同社は「EtherCAT」の高速性を高く評価、IoT時代の製造現場に相応しいシステムとして、関連プライヤーの工場内ネットワークを含め、「EtherCAT」対応機器への置き換えを促していく考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA/Beckhoff )

【関連記事】

トヨタ、クルマの次は工場を高速通信で「つなぐ化」!
https://clicccar.com/2016/07/20/387140/

トヨタがフォードとの連携で「T-Connect」を進化させる?
https://clicccar.com/2015/06/07/310838/

トヨタが新テレマティクスサービス「T-Connect」を披露!
https://clicccar.com/2014/10/14/272959/

【関連リンク】

Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション)
https://www.takagishokai.co.jp/dcms_media/other/Beckhoff_EtherCAT_P_e.pdf

EtherCAT
https://www.ethercat.org/jp.htm

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる