エンジンに直接搭載可能な車載基板向け樹脂材料をパナソニックが製品化

パナソニックの社内カンパニー、オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、エンジンに直接搭載可能な耐熱性を備えた車載基板向け樹脂材料を製品化、2017年4月から量産を開始すると発表しました。

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今回、量産を開始するのは、車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)用基板に適した「高耐熱ハロゲンフリー多層基板材料」で、高耐熱性と優れた耐トラッキング性を実現し、エンジンルームのような高温環境下でのECU用基板の信頼性を向上できるということです。

近年の自動車の電装化で、1台の自動車に搭載されるECUの数は増加しています。ECUはエンジンルームに搭載されることが多く、高温に対する耐久性が必要です。しかもECUの高機能化で基板に搭載される部品そのものの発熱にも耐えることも課題となっています。

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さらにHEV、EVのような電動車では、ECU回路の大電流・高電圧化が進み、基板の樹脂材料には一層の高温耐久性が求められています。

従来の基板用樹脂材料では、材料の性質から耐熱性と耐トラッキング性を向上させると基板の加工性が悪くなってしまうことが一般的でした。

そこで、独自の樹脂設計・配合技術の採用により、高い耐熱性と耐トラッキング性を実現し、しかも基板の加工性にも優れる「高耐熱ハロゲンフリー多層基板材料」を製品化しました。

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この「高耐熱ハロゲンフリー多層基板材料」の用途は、車載ECUの他にも、車載モジュール、HEV/EVパワーコントロールユニット、DC/DCコンバータ用基板に広がっており、次世代エコカーに多用されることが予想されます。

パナソニックは、住宅と自動車を次の事業の柱としており、ラスベガスで開幕したCES2017でも、同社の津賀社長が「パナソニックはテレビなどの過去の事業に先祖返りはしない」と明言したことが一般紙でも報道されました。

今回のECU基板向け高耐熱樹脂材料の量産化も同社の自動車事業を重視する動きの一環と見られます。

(山内 博・画像:パナソニック)