けど、その度合いが「踏み込む」領域に入ってしまうんです。「軽く右足の角度をつければ」ではなく。まもなくと言われる、新東名高速の制限速度アップ後で、「流れをリードする」ならば2リッターをオススメします。
そういったことが連続すると、高速道路で長距離移動のときなど、追い越すべきか、後ろに追従するか、など気を遣うこととなり、それは結果的に疲労となりドライバーに蓄積します。何度も踏み込めば、2リッターより燃費を悪くすることもシチュエーションによっては考えられます。
とは言え、2リッターほど要らない、という人にとってはかなりの出来栄えのエンジンと思います。
気になる高速巡航時も日本の制限速度内ならエンジン音が気になることもないでしょう。理論上、同じ速度を保つにはCVTが変速比を選び、高めのエンジン回転となってしまいますので、その点でも不利になります。もちろん、追い越しで踏み込んだときには音は大きくなるのはやむを得ませんが、それでも不快な音ではなく、ストレスなく盛り上がるサウンドと言えます。軽やかで雑味の少ない音に感じました。ヘッドカバーなどが2リッターの樹脂ではなくアルミであるのもコストを抑えたと言いますが、騒音に対して大きなマイナスにはなっていません。
1.6リッターシリーズでもアイサイトVer.3や歩行者エアバッグを搭載しての税込200万円を切るスタート価格は非常に魅力的です。正直、超お買い得と言えるでしょう。が、高速での実用面、リセールバリュー、ローンや残価設定ローンなどでの月額の少差、などを考えれば、ほとんどの人に2リッターをオススメします。「近所などの普段使いだけで高速を乗ることは年に一回あるかないか」という使いかたなら1.6リッターも十分に満足させるクルマでしょう。けれど、インプレッサを選ぶアクティブなユーザーの多くは当てはまらない気がします。
いずれにしても、インプレッサの魅力はそのグローバルプラットフォームのポテンシャルの高さから滲み出ているものであり、安全装備は一律に標準装備されているゆえ、パワートレインは必要に応じて選べば間違いはない、というクルマ選びになることは間違いなさそうです。
(写真:前田 惠介/文:clicccar編集長 小林 和久)