【公道試乗】税込価格2370万円のホンダNSXはエブリデイスーパーカーなのか?

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さて、フロントに2つのモーター、リヤに3.5リッターV6ツインターボとワンモーターという構成のパワートレインを持つNSX、そのシステム最高出力は581馬力と発表されていますが、いつでもそれだけのパワーを出すわけではありません。

ダイナミックモードと呼ばれる機能で選択できる4つのドライブモードの中で、もっともハードな「トラック」モードを選んで、なおかつブレーキペダルを踏んだまま、アクセルペダルを踏み込む「ローンチモード」にして初めて581馬力を発生することになるのです。

つまり実質的に公道でフルパワーを発揮するという機会はないといえます。それではスーパースポーツらしいカタログスペックは飾りなのかといえば、そうとは言えないのがNSXの魅力です。

そもそもNSXのハイブリッドシステムはハイパワーを第一義としているものではないからです。フロントのツインモーターユニットは駆動力の上乗せにも使われますが、左右のトルクベクタリング(駆動力移動)によるハンドリングの向上がメインの役割。そして、そのハンドリング性能は低速域でも味わえるのがNSXの魅力というわけです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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