振り返れば、スズキは世界最大の自動車メーカーだった米GMと資本提携していましたが、その後リーマンショックの影響でGMの業績が急激に悪化したため、2009年に提携を解消。代わりにフォルクスワーゲン(以下VW)と資本提携を結びます。
しかし、2011年には経営の独立性の確保をめぐり、VWと対立。スズキは資本提携の解消を求めて提訴。
国際仲裁裁判所がVWにスズキ株の売却を命じたことで、4年間に渡って争った提携解消問題に昨年8月末、ようやく目処が付いたばかり。
その後、スズキは他社(特に海外メーカー)との提携に慎重になっています。
その一方で、環境技術や自動運転技術には莫大な開発費が必要になるため、その後も国内で提携先を模索していたようです。
そうしたおり、今年の1月にトヨタとスズキの提携話が新聞等で報道されました。
両社は報道を否定するコメントを出していましたが、トヨタが、ダイハツの完全子会社化を発表したのはまさにその頃であり、ダイハツに小型車開発を任せることで、スズキとの棲み分けを予め明確化しておく必要があったとの見方も。
スズキはインドでは大きなシェアを持っているものの、先進技術では他社に比べて出遅れ感が否めず、鈴木会長自身も今回の会見で「伝統的な自動車技術を磨くだけでは将来が危うい」、「自動車産業の変化が早く、共有しないと生きていけない」と会見で述べるなど、将来への不安を隠しません。
トヨタとしては、かつてVWがそうであったように、タイやインドネシアに続くインド市場でのシェア拡大が期待できるだけに、恐らく今後提携が実現するのも時間の問題と予想されます。
これにより、各社が個々に調達していた部品を共通化してコストを下げたり、販売車種の重複を回避することが可能になります。
トヨタは、日本のモノづくりを守るための「オールジャパン構想」の実現に向けて動いており、スズキとの提携についても、その実現に向けた動きの一環とみられます。
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