さらに2020年の東京オリンピック開催を契機に、 日本の自動車メーカーを含む世界中の自動車メーカーが自動運転を含むADASという革新技術の開発にしのぎを削っています。
コンチネンタルでは、すでにカメラ、レーダーシステム、高解像度のレーザーセンサー、電子制御ユニットやソフトウェアなどの自動運転やADASに関する主要な要素技術を持っています。
コンチネンタルのADAS事業部の責任者、カール・ハウプト(Karl Haupt)氏は
「先進運転支援システムは、成長が最も著しい分野です。今年は周囲をモニタリングする環境センサーのおかげで、10億ユーロ以上の売上を達成する見込みであり、2020年には20億ユーロ以上への拡大を見込んでいます。つまり、わずか5年でさらに倍増することになります。」
とADAS分野の急成長を予測しています。
今回のADAS強化策のひとつ、日本とインドでの開発能力向上については、日本でADAS機器のハード部分の開発を行い、インドでソフトウェアとアルゴリズムの開発を行うことを計画しています。
実際に、トヨタ自動車の衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」向けのカメラ・レーザーレーダー一体型センサーモジュール(MFL)で、コンチネンタルのADAS事業部が二度目となるトヨタ自動車の技術開発賞を受賞しているように、日本でコンチネンタルのADAS機器は高く評価されています。
もうひとつの強化策、フィリピンと中国でのレーダーセンサーの生産能力向上については、コンチネンタルの「in the market for the market(その市場で、その市場のために)」というスローガンに応じた現地化施策ということができます。
コンチネンタルは、2015年、短距離レーダーセンサーの製造をフィリピンのカランバで開始。この短距離レーダーセンサーは、死角検出、車線変更支援、後退時のトラフィックアシストなどの機能を自動車に提供しています。
同社では、将来的にはカランバ工場で1000万台以上の短距離レーダーセンサーと、100万台以上のカメラシステムを製造する計画で、多機能カメラ一体型レーザーセンサーも今年秋には生産を開始する予定としています。
自動運転・ADASというこれからの自動車の鍵を握るキーテクロジー分野で、日本を含むアジア地域でのコンチネンタルの動向に注目が集まっています。
(山内 博・画像:コンチネンタル)