また、イヴォークの試乗車「HSE(HSE Si4)」には、オプションの「アダプティブ・ダイナミクス」がセットされていて、同オプションには電子制御式の減衰力可変ダンパーである「マグネライド・ダンパー」も付属。
一方のディスカバリー・スポーツの試乗車「SE(SE Si4)」には、「アダプティブ・ダイナミクス」が装着されておらず(こちらもオプション設定で用意)、電制可変ダンパーの有無という違いもありました。
なお、タイヤサイズは両方とも235/55R19で、イヴォークはピレリの「スコーピオン ヴェルデ」、ディスカバリー・スポーツはコンチネンタルの「コンチクロスコンタクトLXスポーツ」という銘柄。
同じプラットフォームとはいえ、リヤサスの形式やタイヤ銘柄の違いなどもあって、乗り比べると意外にもマグネライド・ダンパーが装着されていなかったディスカバリー・スポーツの方が良好でした。イヴォークよりもストローク感があり、しかも路面からの衝撃もよりマイルドに伝えてくる印象。
イヤーモデルの違いや個体差などでこうした差は、すべてに当てはまるものではありません。あくまで傾向としてですが、同じ基本骨格とはいってもイヴォークがより引き締まった乗り味で、ディスカバリー・スポーツはやや快適性を指向しているのかもしれません。
さらに、イヴォークはややタイトな空間に低く座らせる設計もあり、より広くてアイポイントも高く感じるディスカバリー・スポーツとの作り分けも巧みにされていると感心させられます。
「レンジローバー」のブランドを掲げるイヴォークは、そのスタイリングどおりスポーティ、ディスカバリー・スポーツは「スポーツ」の車名こそ付きますが、バランス感覚に気を配ったモデルに仕上がっている印象です。
(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦、塚田勝弘)
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