自動車ジャーナリストが考えるプラグインハイブリッド車の存在感とは【PR】

次世代エコカーは本当に普及していくのか。その課題は?

――次世代エコカーはどう普及していくでしょうか?

鈴木:国ごとの規制や優遇、戦略といった外的要因が大きく左右するので、一概には言えません。しかし、現状の傾向としてはいくつか予測できることもあります。
日本でいえば、現状は、ハイブリッド車がエコカーの主流であると言えるでしょう。ただし5年後、10年後を考えるとプラグインハイブリッド車が増えていく可能性は高いと思います。

――EVはどうですか?

鈴木:EVはここ10年で見ると微増でしょうか。ただ、永遠にガソリンが使えるわけではないし、値段だって急に上がるかもしれない。たとえば明日いきなり原油輸送にトラブルが起こってガソリン価格が倍になる可能性だってゼロではない。何らかの要因でガソリン価格が高騰すれば、急速にEVの社会になる可能性もあります。社会的なブームがあったり、技術革新が起きて電池の高性能化や低価格があれば大きな後押しとなるでしょうね。
その先、20年とか30年スパンで見るとかなり増えると思います。

――水素で動く燃料電池自動車もありますよね。

鈴木:将来的には、水素社会の訪れが来ると考えられますが、まだまだ車両価格が高いし、なにより水素を供給するインフラを整えなければならない。だから普及するのはEV以上に先の未来になると思います。
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PHVはエコカーの主流になりうるのか

――そんな状況の中、プラグインハイブリッド車の将来はどうでしょう?

鈴木:まずはエコカーの現状を振り返ってみましょう。少し先のエコカーとしてイメージされがちなのはEVですが、価格や航続可能距離の面で課題がありますよね。だからハイブリッド車が主流になるというのはお話しした通りです。

――ええ。

鈴木:そのなかで、ハイブリッド車とEVのいいとこ取りであるプラグインハイブリッド車は魅力的な選択肢であることは間違いありません。まず、家庭で電気を充電して効率よく使えばガソリンを大幅に節約することも可能です。(※1※2)

――それが大きな魅力ですよね。

鈴木:さらに、充電が切れたとしても、ハイブリッド走行で長距離移動が出来るので実用的です。そのうえハイブリッド車に比べてモーターだけで走れる領域も広く、モーター駆動ならではの振動も少なくスムーズな走りも味わえる。車両価格も、普通のハイブリッド車に比べると高いけれど、驚くほどというわけではない。
バッテリーの研究開発の成果次第では、今後は車両価格も下がるし走行性能も上がるでしょう。すぐ先にあるエコカーとしては条件が整っているのです。

――だから輸入車勢も黙っていないと。

鈴木:昨年から今年に入ってなど欧州の自動車メーカー勢も相次いでPHVを導入しているのも、そんなメリットがあるから。世界的に大ブレイクする可能性を秘めていますね。