自動車ジャーナリストが考えるプラグインハイブリッド車の存在感とは【PR】

EVの充電インフラ整備は今なお成長期

――一気にEV化、という可能性はどうですか?

鈴木:「現時点では」という前提で話を進めますが、まずはハイブリッド車に比べると車両価格が高いことがひとつのハードルですね。また、ハイブリッド車(プラグインハイブリッド車も含む)と違って、家に充電設備を導入出来ないと利便性が悪いというハードルもあります。

――充電インフラはどうですか?

鈴木:実は日本で公共の充電器はかなり数が多くて、普通充電タイプであれば約1万ヶ所を超えています(2016年2月現在)。先日もEVで長距離走行を試したのですが、意外と充電ステーションが多くて驚いたほどですから。今後も増えていくので、航続距離面での課題は少しずつ解決していくと見ています。

――それならEVも実用的ですね。

鈴木:ただ、急速充電器を使ってEVの航続距離を伸ばすのは、推奨できる使い方ではないという意見があるのも事実なのです。たとえば市販化されている代表的なEVの場合、バッテリーが減った状態からだと急速充電と言えども充電に30分近い時間がかかります。もし急速充電器の場所まで行っても2台3台と充電待ちのEVがいたら……。

――長い充電待ち時間になってしまいますね。

鈴木:だから急速充電器には頼らないドライブをするのが、正しいEVの使い方という意見も多いですね。
充電インフラの状況に左右されず、ガソリンを入れれば走り続けられるプラグインハイブリッド車は魅力的だと思います。航続可能距離を気にせずに使える、現実的な次世代エコカーという位置づけと考えていいでしょう。
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PHVがもつ魅力とは。オススメ環境は?

――そんなプラグインハイブリッドですが、どんな人にオススメできるエコカーと言えるでしょうか?

鈴木:平日はちょい乗りで、土日は遠くにドライブすることがあるような人にはちょうどいいですね。たとえばプリウスPHVは日常生活での近距離移動ならEVモード(※3)で走行することができ、その際はガソリンの消費を抑えることができます。一方で、それ以上の距離でもハイブリッド車として走れるので、航続距離やドライブ中の充電の心配をしなくていいのがメリットですね。

――課題はありませんか?

鈴木:現状では車両価格が普通のハイブリッド車より高いのは確かです。ただ、ガソリンスタンドへ給油に行く手間は省けるし(※2)、モーターによる滑らかな走りをより広範囲で味わえる。クルマのおもしろさや新しいモノ・ハイテク好きな人にオススメです。

――新しいモノ好きですか?

鈴木:たとえば当時のスマートフォンなんかがそうですけど、同じジャンルの他の商品に比べて高くてもあえて使っている人がいますよね。そういう方をマーケティング用語で「アーリーアダプター」というのですが、先進性や使いやすさ、個性などがあればそのために多くお金を出しても所有する価値があると考えている層です。高くても満足できるものを買うと。そういう人もプラグインハイブリッドに注目しているようですね。そういった方々に支持されることが今後のプラグインハイブリッド普及のカギになると思いますよ。

※1.充電電力使用時走行距離・燃費消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象・渋滞等)や運転方法(急発進・エアコン使用等)に応じて、EV走行距離・燃料消費率は大きく異なります。

※2.お客様の使用環境(気象・渋滞等)、運転方法(急発進・エアコン使用等)によって、給油頻度は大きく異なります。

※3.エンジン、リチウムイオンバッテリーの状態、エアコンの使用状況や運転方法(急加速・所定の車速を超える)、道路状況(登坂)などによっては、バッテリー残量に関わらずEV走行が解除され、エンジンが作動します。

プリウスPHV公式サイト

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