【CCOTY2015】マーケットに新風を吹き込むトヨタ・シエンタに10点

トヨタ・シエンタはインパネアッパーボックスからチラ見えするオレンジ色が印象的ですが、もちろん外観もユニークで個性が強い面もあって、デビュー前にはどれほど売れるのか疑問視する向きもあったようです。

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しかし、登録車のセールスランキングでは 2015年8月~11月(執筆時点)まで、4か月連続で2位につけているほど売れています。

1~2か月の売れ行きであれば初期受注、新車効果という言葉で理解できますが、4か月連続となると、市場においてポジションを確保したという印象を受けます。もっともランキングはプリウスの登場で変化するでしょうが…。

それはさておき、1.5リッター・5ナンバークラスにおいて「スライドドア、ハイブリッド、3列シート」という要素を持つクルマとしてホンダ・フリードも人気を集めた時期がありましたが、シエンタがここまで売れるというのは時代の変化を感じさせるのです。

たとえば「エマージェンシー用だから3列目は狭くても大丈夫」という意識が強くなっているのかもしれませんし、そうした意識の変化はトヨタでいうとノア・ヴォクシー・エスクァイアといった5ナンバーフルサイズミニバンからのダウンサイザーを生んでいる可能性もありそうです。

また、そのユニークなルックスも、幼児を載せているシチュエーションで見ていると、子供に人気のキッズシューズと共通性を感じたという体験も記憶に残るところ。これまでスライドドアのスーパーハイト系の軽自動車がメインターゲットとしていた子育て世代における、アッパーモデルとしてのポジションも、シエンタは確保しつつあるのかもしれません。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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