最後に、6点を投じたホンダS660。
今回の基準とした「市場に与えた影響の大きさと今後の可能性」から見ると、軽自動車のミッドシップ・オープン2シーターという提案は、ある意味で焼き直しといえるテーマですし、専用設計としたボディなどコストダウンや発展性も考えづらく、このカテゴリーが大きく成長するという風に思えないというのが正直なところかもしれません。
しかし、20代というS660開発責任者のホンダイズムを感じ、ホンダの新社長がチャレンジングな商品開発の例としてホンダジェットと共に、日本限定品であるS660の名前をあげたことなどを見てきた中で、このクルマ単独での商品性や売上ではなく、ホンダが変化しようとしているシンボルとして捉えると、いつか2015年を振り返ったときに象徴的な一台となっているかもしれないと思えてきます。
また、荷物を積むことを考えないというパッケージは、今後の登場が予想されている2人乗りの小さなモビリティへつながるミッシングリンク的なモデルとして後年評価されるかもしれません。そうした期待と予想を含め、車名にかけて(笑)、6点を投じたのでした。
(山本晋也)