1957年のレースシーンはどんな状況だったのかは博物館に行くか文献をあたるしかありませんが、ポルシェ718の後継モデルはル・マン24時間レースやF1などのフォーミュラーカーとして活躍。
来年度中に登場する期待のボクスターとケイマンは、718ボクスター、718ケイマンと車名を変え、外観的にも技術的にもさらに共通点が増えるそうです。
現行モデルは6気筒ですが、両車にパワフルなターボ付の4気筒水平対向エンジンが搭載され、ダウンサイジング(シリンダーレス)の流れはボクスター/ケイマンにも及びます。
また、将来的には911同様に、ロードスターであるボクスターがクーペのケイマンより上の価格帯になるそうで、今までとは逆になるわけです(現在もグレードによりボクスターの方が高額の場合も)。
6気筒から4気筒になるというのは、ターボの進化や燃費向上策として現在の流れでもう違和感はありせんが、そこはポルシェだけに4気筒を採用するのに伝説に裏打ちされたエピソードが必要と考えたのか、それは分かりません。
ポルシェによると「4気筒水平対向エンジンは、ポルシェの長年の伝統であり、驚くほどの成功を収めています。1950年終盤には、伝説のポルシェ550スパイダーの後継モデルである718が、4気筒水平対向エンジンを搭載した最上位モデルとして登場。1960年のセブリング12時間レースでも、1958年から 1961年まで開催されたヨーロピアン・ヒル・クライム・チャンピオンシップでも、ポルシェ718は、そのパワフルで効率的な4気筒水平対向エンジンで無数のライバル達を退けました。また、718はシチリア島で開催された伝説的なレースであるタルガフローリオで1959年から1960年の間に3回の優勝を果たしました。1958年のル・マン24時間レースでは、142 psを発生する4気筒エンジンを搭載した718 RSKがクラス優勝を遂げています」とポルシェの水平対向4気筒の輝かしい歴史を披露。
また、最近では、2014年にポルシェ919ハイブリッドレーシングカーでル・マンおよび世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリーに復帰。
極限と表現するほどの高効率を目指して設計されたこのLMP1モデルは、ポルシェの中で最も複雑なレーシングカーで、2.0Lの4気筒ターボエンジンと2系統のエネルギー回生システムを組み合わせ、未来の市販車の基本技術研究のプラットフォームの役割を果たすそうです。
ボルボは「Drive-E」と呼ぶ自社製の新しいパワートレーンで、マルチシリンダーをやめ、4気筒(将来的には3気筒も?)でV40からXC90、あるいは電動化など思い切った戦略に舵を切りましたが、ポルシェのようなスポーツカーを旗印とするブランドがどうなっていくか興味深いところでもあります。
(塚田勝弘)