【東京モーターショー15】事故ゼロ、渋滞ゼロが自動車メーカーの夢。その実現には自動運転がキーになる

そして、自動運転に関する技術は、個別の企業が独自に進化させられる領域と、協調して進めるべき領域があるといいます。

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高精度地図やビッグデータの利用については、自動車メーカーにとどまらず他業種との協調も必要になるでしょうし、道路上の情報をクルマに伝えるインフラ整備も必要となるでしょう。さらに、自動車へのハッキング対策や、路上に配置されたセンサーへのジャミング対策も、官民が協力して対応すべき内容だといいます。

自動車メーカー間の調整としても、自動運転への切替やマニュアル運転への復帰時におけるユーザーインターフェースについては、ある程度の共通性がなければ、せっかくの便利な機能がユーザーの使い勝手を損なってしまいかねません。そうした点で業界のスタンダードを整理するのも日本自動車工業会の役割です。

日本でいえば、高齢化・過疎化における移動権確保の切り札として期待されている自動運転ですが、万人にユーザーインセンティブを高めるための工夫もしていきたいと池氏は語ります。

あくまで仮の話しですが、高速道路に自動運転専用レーンができて、そのレーンに限って法定速度が上がるようなことがあれば、自動運転のクルマに乗りたくなるかもしれません。

ユーザーメリットにつながる施策の提案も、自動運転の普及につながる要素として、これから議論に上がっていくことでしょう。

(撮影・文 山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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