この魔物を絶妙に切り抜け、首位をキープしたのがVivaC 86 MC。レース後半では完全な独走態勢を築いて今期初勝利を獲得。
マザーシャーシ勢としても、最近とてつもない速さを見せていたシンティアム・アップル・ロータスに先駆けて、VivaC 86 MCが先に優勝をもぎ取りました。
そのVivaC 86 MCから遅れること17秒弱。独走態勢を崩すことにはなりませんでしたが、2位にポジションを上げてから6秒以上もギャップを縮めたTOYOTA PRIUS apr GTがフィニッシュ。
終盤、かなりの追い上げを見せて表彰台の一角にたどり着いた11号車GAINER TANAX SLSが3位となります。
中盤、実質の2位をキープしていたマネパ ランボルギーニ GT3は終盤にジワジワと順位を落としていき、4位に留まりました。
そして後半のトピックはなんと言っても5位争い。
88kgのウェイトハンデでも鈴鹿を優勝し、SUGOでは100kgのウェイトで走る10号車GAINER TANAX GT-Rと、火災からの完全復活を果たした61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。この2台の攻防が終盤20周以上にもわたり繰り広げられたのです。
その争いに勝ったSUBARU BRZ R&D SPORTが5位となりました。
さすがに富田竜一郎選手でも100kgのウェイトハンデはきつかったようで、SUBARU BRZ R&D SPORTとのバトルでは後塵を拝してしまいましたが、それでも6位に留まったことは素晴らしいのひとこと。
このSUGOでの順位でランキングも若干様変わりしてきました。現時点でチャンピオンの目があるチームが9チーム。
しかし次戦のオートポリスでは10号車GAINER TANAX GT-Rが他の8台よりも前でチェッカーを受けることが出来ればシリーズチャンピオンが確定することになります。
オートポリスはウェイトハンデが半分に落とされ、GAINER TANAX GT-Rでは74kgと、鈴鹿よりも軽くなります。しかし、TOYOTA PRIUS apr GTは49kgなど、ライバルも軽くなってくるので一概に予想することは難しい。もうチャンピオン争いからも目が離せません。
次戦のオートポリスは10月31日、11月1日の開催となります。
(写真:吉見幸夫・文:松永和浩)