SUGOUには魔物が棲む、とはよく言われる話ですが、今回の「魔物」はこのクラッシュではなく、クラッシュが起因したSC導入によるピットの大混乱、大渋滞だったのです。
SCが導入されるとGT300、GT500がクラスごとにその時点での順位の通りに並ぶまでSCが周回を続けます。SC導入初期はピットが閉鎖されますが、ある程度周回が進むとピットロードが開放され、ピット作業が出来るようになるのですが、39号車のクラッシュはちょうど各チームのピットタイミングの時期と重なり、ピットロードが開放されるとルーティーンでピットインを計画していたチームが一斉にピットインしてきたのです。
SUGOはSUPER GT開催サーキットの中でもピットロードが狭いことは有名で、そこに一斉にマシンが戻ってくれば通常のポジションでピットワークを行うことは難しく、ピットに対して斜めにマシンを駐めて作業を行うチームも出てきます。
しかもそれをピットロード出口に一番近いチームがやってしまうと、ピットロードをふさぐカタチになってしまい、ピットロードで大渋滞が起きてしまうのです。
その大渋滞の最中にSC解除となり、一時的にピットロードが閉鎖となってしまいます。そのため、この閉鎖に引っかかってしまったチームは全チーム周回遅れとなってしまうという事態が発生してしまったのです。
これが今回の魔物と言っても過言ではないでしょう。
例えば0号車グッドスマイル 初音ミク SLSではピットインの時点で10位だったのがピットアウトした時点で23位まで順位を落としています。
上手くピットの渋滞を抜け切った、もしくはピットタイミングをずらしたチームが一気に上位へと進出していったので、こういったチームにとっては魔物様々であったとも言えます。