デンソーによる第四世代コモンレール噴射システム(最大噴射圧220MPaで、10孔のソレノイド直噴インジェクター使用)を使った、一回の燃焼につき基本的に4回の燃料噴射を行なう制御も、トヨタ新型ディーゼルエンジンの特徴です。
パイロット噴射ではメイン燃焼時に急激に温度が上昇しないように温度を一定にすることを狙って微量の燃料が噴射されます。これは、燃焼音の抑制だけでなく、空気密度の異なる高地などでも安定して燃焼させることのできるロバスト性の高さにつながっているといいます。
つづいて、ピストン上死点付近で、比較的長くつづくメイン噴射では燃焼室外側の圧縮された空間に燃料を配置して燃焼させます。
最後に、中央付近のピストンが盛り上がった空間にアフター噴射。これによって無駄なく、燃焼室の空気を使い切るというわけです。
ピストン頂部のコーティングと合わせて、燃焼温度のコントロールと空気利用率の向上を目指した噴射プログラムも、次世代高断熱ディーゼル燃焼と最大熱効率44%を実現しているのです。