さて、PHEVに注目が集まるアウトランダーですが、純ガソリン車の出来も秀逸です。
乗り心地の良さは、PHEVも純ガソリン車にも共通する美点ですが、フットワークの面では300kg近く軽い(PHEVと2.4Lガソリンのセーフティパッケージでは280kg)ガソリン車の方が軽快なのは想像できますが、山岳路でのコーナリング時などわかりやすいシーンではもちろん、高速道路のレーンチェンジなどでも明らかに軽く、PHEVよりもひと回り小さく感じるような軽快感が得られます。
確かに、充電できるPHEVは、万一の電池切れでもエンジンが付いている安心感、完成度、商品力からしてもアウトランダーでPHEVが選ばれるのは理解できますし、エコカー補助金は「免税」、CEV補助金も最大で29万円となると、300万円そこそこで購入できます。
それでも2.4Lのガソリン(4WDのみ)は約280万円から、2.0Lの2WDなら約250万円から揃っていますから、先述した乗り心地の良さが新生アウトランダーの大きな魅力だとすると、2.0Lガソリンの「20G セーフティパッケージ」を手に入れる(約260万円)手もありますし、非常用だとしてもサードシートを備える純ガソリン車も検討する価値大です。
なお、今回は2.0Lガソリンの試乗車の用意がなく、ガソリン車は残念ながら2.4L(4WDのみ)しか乗れませんでした。
気になるのは、現行アウトランダー登場時に感じた2.0Lガソリンの線の細さですが、150ps/190Nmというスペックは変わらないものの、純ガソリン車のCVTの制御を最適化することでリニアな加速フィールを得ているそうなので、試乗して不満がなければ2.0L(2WDのみ)でも新型アウトランダーの良さは十分に感じられるはずです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)