ボルボの「D4」エンジンの技術的なポイントは、「i-ART」を乗用車として世界初採用している点にあります。日本のサプライヤであるデンソーが開発した、「i-ART」は、”intelligent Accuracy Refinement Technology”の頭文字に由来するもので、インジェクターに圧力センサとメモリICを内蔵させている点にあります。
2500気圧のコモンレールシステム、10万分の1秒レベルで1サイクルごとに2~9回の噴射を行なうという緻密な制御は、パワーとレスポンス、そして環境性能を高次元で実現するものですが、経年劣化によるズレを考慮しなくてはいけません。
「i-ART」により、部品の磨耗や経年劣化によるずれを補正できることが可能となり、緻密な制御を市販車に搭載することが実現したといいます。
また、日本のサプライヤでいえば、アイシンAW製の8速AT「ギアトロニック」を採用しているのも注目です。1速ギア比=5.250から8速ギア比=0.673まで、変速比幅7.8とワイドなトランスミッションは燃費性能とドライバビリティの両面でクリーンディーゼルのメリットを引き出しています。