ボルボのクリーンディーゼルを支えるニッポンの二つの技術とは?

ボルボの「D4」エンジンの技術的なポイントは、「i-ART」を乗用車として世界初採用している点にあります。日本のサプライヤであるデンソーが開発した、「i-ART」は、”intelligent Accuracy Refinement Technology”の頭文字に由来するもので、インジェクターに圧力センサとメモリICを内蔵させている点にあります。

11759691_922852404469279_1953726361_n

2500気圧のコモンレールシステム、10万分の1秒レベルで1サイクルごとに2~9回の噴射を行なうという緻密な制御は、パワーとレスポンス、そして環境性能を高次元で実現するものですが、経年劣化によるズレを考慮しなくてはいけません。

「i-ART」により、部品の磨耗や経年劣化によるずれを補正できることが可能となり、緻密な制御を市販車に搭載することが実現したといいます。

また、日本のサプライヤでいえば、アイシンAW製の8速AT「ギアトロニック」を採用しているのも注目です。1速ギア比=5.250から8速ギア比=0.673まで、変速比幅7.8とワイドなトランスミッションは燃費性能とドライバビリティの両面でクリーンディーゼルのメリットを引き出しています。 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる