デンソーやアイシンAWの技術も採用されているボルボのディーゼルエンジンモデル

トランスミッションは、ガソリンのT5エンジンと同様に、アイシンAWとの共同開発により生まれた8速ATを採用。

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すべてのギヤにロックアップ機構を備え、低燃費を実現。さらに、トルクコンバーターに制動ダンパーを搭載することで振動低減も図られています。

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D4エンジンは、ボルボ史上最高の燃費を達成しつつ(搭載モデルにより異なりますが概ね20km/L前後)、3.0Lの6気筒ターボと同等のトルク性能(400Nm)を誇ります。

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ボルボのD4エンジンに採用されている高速連続可変バルブタイミング(CVVT)により、排ガス浄化や燃費、ドライバビリティ向上を実現。

さらに、摩擦低減やサーマルマネジメントの採用など、燃費やエアコン性能の向上も図られています。

ターボはボルグワーナー製の2段階加給システムを搭載し、エンジンのダウンサイジング化と高トルク化を達成。

燃焼技術では、デンソー製インジェクターを採用し、2500barの高圧で噴射するコモンレール式直噴技術を搭載しています。

「i-ART」と呼ぶデンソーの技術は、乗用車ではボルボのD4が世界初の搭載(商用ではブラジル向けの商用車ハイラックスに採用)で、圧力と温度をモニターすることで、じつに10万分の1秒の噴射ズレを検出できるそうです。

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2500barという高い噴射圧力と「i-ART」技術の組み合わせにより、燃費が最高で2%改善し、排ガスの量も削減。さらに、エンジン出力も向上するとのこと。

触媒では、まずLNT(Lean NOx Trap)が注目で、触媒コンバーターの皮膜でNOxと結合し、定期的に排出。NOxトラップの微粒子を約4、5分間隔で定期的に無害なN2にして排出します。

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排ガス中のPM(粒子状物質)を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)は、PMが一定量蓄積すると、燃料の噴射制御により排ガス温度を高めることで、PMを燃焼させ除去するDPFクリーニングが走行中、10分〜20分実施。

気になる冷間時の短距離走行ですが、こうした状況が繰り返され、80%以上PMが蓄積されると警告メッセージが表示され、20分以上の走行が必要になります。

■ボルボが32年ぶりに日本にディーゼルを導入! 気になる価格、燃費は?
https://clicccar.com/2015/07/22/318682/

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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