改めて車両を目の当たりにすると、その小ささに驚かされます。ボディサイズは全長:3915mm×全幅:1735mm×全高:1235mmと、初代ロードスター(3970mm×1675mm×1235mm)に匹敵するほど小柄ですが、存在感は歴代随一。周りからの注目(とくにロードスターオーナー)は高く、信号待ちやすれ違った際に目が合うこともしばしば。
いざ乗り込んでみると、身長173cmのワタクシが座っても頭上には余裕が残り、意外にも窮屈な感じはありません。
また、路面に張り付いているような低い着座位置にも関わらず、視界は良好。とくに、ボンネットの起伏が車両感覚を把握するのにひと役買っています。
そのコンパクトなボディに搭載されるエンジンは1496ccの直列4気筒で、最高出力は131ps、最大トルクは150Nm。驚くほどの性能ではないものの、アクセルをわずかに踏むだけでスッと軽快に発進します。そこからさらにアクセルを踏み込めば、踏んだ分だけパワーは自然に盛り上がっていき、1060kgの車体をグイグイと加速。
もちろん、その爽快感は屋根を開け放てば増すばかり。重厚感のある排気音とともに、不快に感じさせないよう抑えられた風を車内に届けてくれます。
ちなみに、試乗車の「レザーパッケージ」にはシートヒーターが標準で備わっているので、冬場をはじめ、朝方や春先のまだまだ肌寒い季節でもオープンドライブを存分に楽しめます。
足回りは車体の動きをドライバーに感じさせやすいような味付けで、減速や旋回時にクルマの姿勢を正確に把握できるのがポイント。
ドライバーの意図にクルマが的確に応えるだけでなく、クルマからもドライバーに語りかけてくる。あたかもクルマと対話しているような感覚、これこそがロードスターならではの持ち味と言われる“人馬一体”なのでしょう。