そこでも、日産に抜かりはありません。すでに2.5Lスーパーチャージャーが完成しているのです。トレンドとなっているダウンサイジングターボと同じコンセプトで、ターボではなく、低回転域からレスポンス遅れのないスーパーチャージャーを組み合わせているのです。このエンジンだけで、おそらく3.5LのV6と同等のトルクを得ることができるでしょう。
さらにそのエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせるんですから、レクサスでいえばRX450hのようなレベルになります。トヨタのハイブリッドシステムような応答遅れはないので、ダイレクトにスムーズなパワーフィールはとても魅力的なものになるはずです。
実はそのシステムは、北米市場でインフィニティQX60という大型SUVに搭載され、発売がスタートしているのです。
日産が効率的なのは、そのCVTの使い方です。ほぼ同じディメンションのCVTですが、2L用には一般的なスチールベルト式、2.5L用には高トルクに対応できるサイレントチェーン式と、出力に合わせて最適化しているのです。これによって、エンジンルーム内のレイアウトを大きく変えることなく、高トルクのパワートレインを搭載することが可能になるのです。
これから始まる日産のハイブリッド攻勢。そのスタートラインが、エクストレイル・ハイブリッドなのです。
(岡村 神弥)