【ギョーカイ先走り10】日産 次のハイブリッドはセレナ?

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 エクストレイルに搭載されたハイブリッドシステムは、エンジンとCVTの間にモーターを組み込んだもの。一般的にはパラレルハイブリッドと呼ばれるシステムです。特徴的なのはエンジンとモーターの間、モーターとCVTの間それぞれに機械式のクラッチを配置した、2クラッチのシステムです。これを日産は「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」と呼んでいます。
 EVモードでは、エンジンとモーターの間のクラッチを切ります。エンジンを切り離すことでエンジンの回転抵抗をキャンセルして、燃費を高めます。繋がったままだとエンジンブレーキが発生するので、それが足を引っ張ることになるからです。減速時の回生などでも、エンジンは切り離されます。
 もうひとつのクラッチ、モーターとCVTの間のクラッチは、エンジンが始動した時に発生する振動を低減するためのものです。モーターだけで走行している時にエンジンが始動すると、大きな振動が出る場合があります。とくに低速で走行している時に強く感じることになります。それを防ぐにはゆっくりとエンジンを始動させればいいわけですが、そうするとレスポンスが悪くなってしまいます。そこで日産は、エンジンをしっかりと始動させ、クラッチで上手く逃がして振動だけを軽減させることで、レスポンスを維持したまま振動を小さくしているわけです。
 最初に登場した時のフーガハイブリッドでは、まだ少し熟成不足な感がありましたが、徐々に改良され、スカイラインハイブリッドでは痛快で滑らかなパワーフィールを味わうことができます。パワフルなハイブリッドとして魅力的なもので、正直なハナシ、トレンドであるダウンサイジングターボを買う意味を探すのが大変です。