エクストレイルの採用したハイブリッドシステムは、日産らしい「1モーター2クラッチ方式」、バッテリーはリチウムイオン電池を採用しています。
モーターとエンジンをつなぐクラッチ、モーターとCVTをつなぐクラッチを用意することで、エンジンを切り離してモーターだけで走行できるシチュエーションを増やしたほか、エネルギー回生時にもエンジンを切り離すことで、効率よくバッテリーを充電できるのがメリットとなっています。
また、急坂や加速時には、2つのクラッチをつないで、エンジンとモーターの、まさしくダブルパワーにより、パワフルで好レスポンスなパワートレインとなるのも特徴です。
そのシステム最高出力は188馬力。同じ2.0リッターエンジンを積んだXVハイブリッドの163馬力を大きく上回り、2.5リッターハイブリッドであるハリアーの197馬力に迫るパフォーマンスを実現しています。
それでいて、燃費性能は、FFで20.6km/L、4WDで20.0km/Lとライバル同等の数値。タフギアというキャッチコピーから期待するクロスオーバーとしての動力性能と、ハイブリッドらしい経済性を両立した「タフギア・ハイブリッド」なのです。
技術的にいえば、エンジン自体もライバルが通常のポート噴射であるのに対して、エクストレイル・ハイブリッドは直噴エンジンとなっている点もアドバンテージ。
モーターだけで走行するEVモードでの最高速度は120km/hと60~80km/h程度となるライバルを圧倒しているのも、電気自動車のリーディングカンパニーとして知られる日産のハイブリッドらしいポイントです。
さらに、バッテリーの電力を有効活用できるため、ただでさえエネルギー密度が大きく、コンパクトにできるバッテリーを、最小限のスペースに納めることが可能となっています。つまり、ラゲッジルームを犠牲にしていないということ。実際、ガソリン車と遜色ない400リッターの容量を確保しています。クロスオーバーSUVに求められるレジャー性能についても、優位性を持つハイブリッドシステムというわけです。