カリフォルニア州の法整備遅れで自動走行車開発に黄信号!?

ところが、カリフォルニア州のDMV(陸運局)が昨年の9月16日付けで完全自動走行車を一般市街で走らせるにあたり「公道を走行中は運転者が必要に応じて物理的制御を行えること」を義務付ける旨の通達を発表。

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これに伴い、自動走行車には非常時にドライバーが介入するためのステアリングホイールとペダル類の装備が必要となりました。

同州で先行する自動走行車関連の規制は世界の国々が追従する可能性が高いだけに、「非常時にドライバーが即座に介入できる構造が必要」との判断はごく常識的なものと言えるかもしれません。

GoogleはDMVの通達を遵守、簡便な構造のステアリングホイールとペダルシステムを搭載するとしています。

 

今年1月27日にはDMVが自動走行車の法整備のためのワークショップを開催しており、冒頭Googleで自動走行プロジェクトのリーダーを務めるクリス・アームソン氏が同技術の安全性を解説する様子が動画で公開されています。

 

その後DMVから自動走行車のための法整備に関する発表は無く、WSJが伝えるところによると、年内に施行される見込みはほとんど無いとしています。

その背景としてGoogleを始め、アウディ、メルセデスベンツ、テスラモーターズ、日産、ボッシュ、デルファイなどが同州での走行テストに名を連ねるなか、DMV側に各社が個々に開発した技術の安全性を検証する手立てが無いため、法整備が進まない状況なのだそう。

平たく言えば先進技術に法整備が追い付かない状況が発生している模様。

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自動車メーカー以外の第3者が各社のプログラムソフトの不備を指摘するのは現実的では無いことから、安全性を懸念する慎重派との議論が長引くと予想され、各社が予定している公道試験に「待った」をかけられた状態が当面続く可能性が高そうです。

■DMV Webサイト
https://www.dmv.ca.gov/portal/dmv/detail/pubs/newsrel/newsrel14/2014_61a

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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