スバル・フォレスターX-BREAKは見た目以上のスポーティさ

148ps/196Nmというアウトプットの2.0L 水平対向エンジンは、280ps/350Nmの直噴ターボ搭載の「DIT」と比べると、回していった時のパンチ力では明確な差が感じられますが、市街地からバイパス、山岳路でも十分な速さを披露してくれます。

FORESTER_01

同系列と言えるインプレッサより地上高を上げたフォレスターは、着座位置が高くボンネットの先まで見通せて、フロアやシート高が高めの割に乗降もしやすく、かなり広いラゲッジなどSUVらしい利点を享受できる一方で、軽めのパワーステアリングや予想よりもクイックに動く鼻先など、スポーティな味付け。

FORESTER_09 FORESTER_05

乗り心地は、最新バージョンとなったインプレッサと比べると、ピッチングを感じてやや落ち着きに欠く面もありますが、フットワーク重視のセッティングは、見た目よりも「よく走る」という印象。反面、見た目から感じるSUVらしさは薄めとも言えます。

本来クルマは「見た目の印象なりの重さ」をステアリングやペダルの反力から得られるべきと個人的に思っていますが、「見た目の印象よりも軽い」というのはフォレスターに限らず、大型ミニバンの雄である新型トヨタ・アルファード/ヴェルファイアなど、多くの日本車に見られる傾向です。

また、フォレスターは発進時の「飛び出し感」もやや強く、やんわりとアクセルを踏んでいるつもりでも、グイッと飛び出してしまうのは動きの軽やかさを演出しているとも言えますが、場合によってはスマートな運転でもないかなという感じもします。

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる