148ps/196Nmというアウトプットの2.0L 水平対向エンジンは、280ps/350Nmの直噴ターボ搭載の「DIT」と比べると、回していった時のパンチ力では明確な差が感じられますが、市街地からバイパス、山岳路でも十分な速さを披露してくれます。
同系列と言えるインプレッサより地上高を上げたフォレスターは、着座位置が高くボンネットの先まで見通せて、フロアやシート高が高めの割に乗降もしやすく、かなり広いラゲッジなどSUVらしい利点を享受できる一方で、軽めのパワーステアリングや予想よりもクイックに動く鼻先など、スポーティな味付け。
乗り心地は、最新バージョンとなったインプレッサと比べると、ピッチングを感じてやや落ち着きに欠く面もありますが、フットワーク重視のセッティングは、見た目よりも「よく走る」という印象。反面、見た目から感じるSUVらしさは薄めとも言えます。
本来クルマは「見た目の印象なりの重さ」をステアリングやペダルの反力から得られるべきと個人的に思っていますが、「見た目の印象よりも軽い」というのはフォレスターに限らず、大型ミニバンの雄である新型トヨタ・アルファード/ヴェルファイアなど、多くの日本車に見られる傾向です。
また、フォレスターは発進時の「飛び出し感」もやや強く、やんわりとアクセルを踏んでいるつもりでも、グイッと飛び出してしまうのは動きの軽やかさを演出しているとも言えますが、場合によってはスマートな運転でもないかなという感じもします。