大きく(背が高く)、重くなる傾向にある軽自動車でも排気量は660ccまでと軽規格で決まっていますから、ターボエンジンを搭載することで、軽の自主規制値である最高出力の上限値64psまで出力を高め、パワー不足を補っているモデルもあります。
大半の軽自動車は、NAエンジンとターボエンジンの2つを設定していますが、前者は街乗り中心に向く動力性能で、高速道路や山道を走るなら後者でないとパワー的に厳しいというのが正直なところ。
一方で、昔からの軽の本筋である「小さくて軽い」を追求した新型スズキ・アルトは、最軽量モデルで610kgというダイエットに成功。
49psもしくは52psのNAエンジンのみで、シティユースを中心とした乗り方をする人をターゲットにしていて、NAでも街中ならかなりキビキビとした走りを楽しめます。
NAエンジンの軽でも高速道路や山岳路を走れますが、速度が高まるほど音や振動も大きくなり、こうしたモデルは主に街乗りを想定した速度域を想定して設計されているのがうかがえます。追い越し時などはアクセルをかなり踏み込む必要がありますし、ほかの人と会話を楽しむような静粛性までを期待するのは酷でしょう。
軽自動車で高速道路やワインディングで軽快に走るには、車高が高すぎず、ターボエンジンを搭載したモデルが適任。
ホンダN-ONEなどがその好例で、軽自動車でも高速道路の流れに無理なく乗れます。一方、いま人気の背が高い「軽ハイトワゴン」系ですと、高速道路で横風に煽られたり、山岳路のコーナーで車体の傾きが大きくなったりするなど、背の高さ故の限界も感じさせます。