2014-15年のイヤーカーにスカイラインを推すこれだけの理由

1.新しいチャレンジ「ダイレクトアダプティブステアリング」が凄い

スカイラインに採用されている先進アイテムといえば「ダイレクトアダプティブステアリング」です。車のステアリングは普通タイヤと機械的に直結しているのですが、実はスカイラインの「ダイレクトアダプティブステアリング」装着車はつながっていません。電気信号だけでやり取りしているのです(量産車世界初)。

凄いんですよ、ハンドル操作を電気信号に変えて、モーターがステアリングを切るのです。えっ、ラジコンみたい? だけどラジコンと違うのは、ちゃーんとステアリングインフォメーションが手に伝わってくること。タイヤへの入力を電気信号に変換し、そのなかから衝撃などはカットして必要なものだけをステアリングそしてドライバーに伝えているのです。

どうしてそんなシステムが必要なのか? 現段階でのメリットは路面の凹凸などの振動をドライバーに伝えないことや轍などを自動修正して直進性が高まること、そして走行シーンに応じてハンドリングを変化させられることくらい。

しかしこれが、クルマの将来を考えるうえで外せないシステムなのです。たとえば自動で行う緊急回避時、もしタイヤの動きにステアリングが連動していたら動きが早すぎてドライバーの手に損傷を与えてしまうかもしれません。しかし「ダイレクトアダプティブステアリング」ならタイヤだけを動かしてそれを防ぐことができます。

将来的には、電子的な介入が増えて事故を避けるクルマになればなるほど、コンベンショナルなステアリングシステムでは対応できなくなるのは確実なのです。サラッと書いていますが、ハンドルとタイヤが直接つながっていないのは革命的な出来事。それを世界最初にやってしまったスカイラインを称えたというわけです。

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この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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