スズキ・ワゴンRはハイブリッドではないの?

7月の一部改良で、30km/Lにのせた日産デイズ/三菱eKワゴンでは、日産デイズが7月の軽自動車新車販売で2位に躍進するなど、軽ワゴン(軽トールワゴン)の燃費競争も激しさを増しています。

WAGON_R_093さて、ワゴンRはどう変わったのか? カタログを見ると表紙から最初の数ページにわたって「S-ene CHARGE」のロゴやカタログがどーんと出ていますが、ハイブリッドの文字はなかなか出てきません。

「S-ene CHARGE」は、「ISG(Integrated Starter Generator/モーター機能付発電機)とS-エネチャージ専用リチウムイオンバッテリーを採用し、加速時にモーターでエンジンをアシストするS-エネチャージ」と説明されています。

加速時にモーターでエンジンをアシスト……。これだけ見ると、ワゴンRはハイブリッドではないの? と思いますが、やっと出てくるのは最終ページの主要諸元。

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「主要燃費向上策」の欄に太字で「ハイブリッドシステム」と目立つように書かれています。

なぜ、ハイブリッド登録なのに目立つのように謳わないのでしょうか?

広報の方や開発陣の方に伺いましたが「エネジャージの知名度がかなり上がっており、さらにS-エネチャージの認知度を向上させたい」、「EV走行が可能なストロングハイブリッドでないと、ハイブリッドと謳えない」などスズキらしいマジメな回答でしたが、市販軽四輪車初のハイブリッドを設定し、34km/Lを誇ったツインの商業的な反省から(登場が早すぎた2シーター)もあるかもしれません。

ほかにも、「ハイブリッド=高額というイメージを持たれないため」なども聞かれましたが、これは、日産セレナ Sハイブリッドの登場時に「これがハイブリッドなの?」という声が集まった、という先例を鑑みてということもあるかも。

いわゆるマイルドハイブリッドになるワゴンRは、現時点ではNAエンジン+CVTのワゴンR「FZ」、ワゴンRスティングレーの「X」のみで、価格は前者が137万2000円〜、後者が146万1240円〜と、もう少し安いグレードもニーズがありそうですが、商品企画の上でも無難な戦略からスタートしたといえるでしょう。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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