7月の一部改良で、30km/Lにのせた日産デイズ/三菱eKワゴンでは、日産デイズが7月の軽自動車新車販売で2位に躍進するなど、軽ワゴン(軽トールワゴン)の燃費競争も激しさを増しています。
さて、ワゴンRはどう変わったのか? カタログを見ると表紙から最初の数ページにわたって「S-ene CHARGE」のロゴやカタログがどーんと出ていますが、ハイブリッドの文字はなかなか出てきません。
「S-ene CHARGE」は、「ISG(Integrated Starter Generator/モーター機能付発電機)とS-エネチャージ専用リチウムイオンバッテリーを採用し、加速時にモーターでエンジンをアシストするS-エネチャージ」と説明されています。
加速時にモーターでエンジンをアシスト……。これだけ見ると、ワゴンRはハイブリッドではないの? と思いますが、やっと出てくるのは最終ページの主要諸元。
「主要燃費向上策」の欄に太字で「ハイブリッドシステム」と目立つように書かれています。
なぜ、ハイブリッド登録なのに目立つのように謳わないのでしょうか?
広報の方や開発陣の方に伺いましたが「エネジャージの知名度がかなり上がっており、さらにS-エネチャージの認知度を向上させたい」、「EV走行が可能なストロングハイブリッドでないと、ハイブリッドと謳えない」などスズキらしいマジメな回答でしたが、市販軽四輪車初のハイブリッドを設定し、34km/Lを誇ったツインの商業的な反省から(登場が早すぎた2シーター)もあるかもしれません。
ほかにも、「ハイブリッド=高額というイメージを持たれないため」なども聞かれましたが、これは、日産セレナ Sハイブリッドの登場時に「これがハイブリッドなの?」という声が集まった、という先例を鑑みてということもあるかも。
いわゆるマイルドハイブリッドになるワゴンRは、現時点ではNAエンジン+CVTのワゴンR「FZ」、ワゴンRスティングレーの「X」のみで、価格は前者が137万2000円〜、後者が146万1240円〜と、もう少し安いグレードもニーズがありそうですが、商品企画の上でも無難な戦略からスタートしたといえるでしょう。
(塚田勝弘)