日本のマーケットは基本的にスペース重視です。軽自動車から3ナンバー車まで、基本的にスペースユーティリティの高いクルマが「便利」だと評価され、人気を得ています。確かに荷物を運ぶなら、そうでしょう。
しかしクルマの本質は「速く、安全に、遠くまで」移動することです。それはドライバーだけの価値ではなく、同乗者も同じです。荷物のようにクルマに積まれるべきではないのです。
3代目のサイズダウンは、ヨーロッパ流の、そうしたクルマの本質を見直した、いわばベーシックカーとしての原点回帰だったわけです。
4代目となる新型デミオは、そうした3代目のコンセプトを受け継いでいます。
スペースの拡大を追求するのではなく、ベーシックカーとしてのパッケージを熟成したわけです。ボディサイズは全長が160mm伸びて4060mm、全幅は同じ1695mm、全高は25mm高い1500mmと、少しだけ拡大しました。ホイールベースも80mm伸ばされているので、室内スペースは拡大されているはず。
サイズの数値だけを見れば、同じクラスになるフィットとの差はわずか。しかし寸法以上に、その空間の使い方が違うんです。3代目よりもフロントノーズがハッキリと独立したデザインとなり、日本車に多いワンモーションフォルムから脱退、オーソドクスなフォルムになっているのです。