Googleが車載インフォテインメント「Android Auto」を発表

6月25日(日本時間26日)、Googleはオープン・オートモーティブ・アライアンス陣営(OAA)による「Android Auto(アンドロイド・オート)」を発表しました。ひと言でいえば、Androidを使った車載インフォテインメントで、Appleの「CarPlay」との競争が激化していくのは間違いありません。

Android_Auto_02今回は、スマホと車載器をUSBで接続して映像などを映し出すもので、ほかにも音声操作なども採用していきますが、現時点でGoogleもAppleも車載インフォテインメントでは目新しい機能は提示できていません。

それでも日本の自動車メーカーでは、今回新たに日産、マツダ、三菱、スズキ、スバルの5社、カーナビメーカーでは、パイオニア、パナソニック、富士通テン、アルパイン、クラリオンが参加しているのはなぜでしょうか?

Android_Auto_01クラリオンは、前日25日の2014年夏の新商品発表会で、オープン・オートモーティブ・アライアンス(OAA)陣営への参加は、Googleの発表前というか表明されず、翌26日に同陣営への参加を新たに発表しています。

ただし、カーナビや車載インフォテインメントに欠かせないスマホは、現状ではAndroidもしくはApple(iOS)のシェアが絶大となると、「クラリオンのナビはどちらかしか使えないというわけにはいかず、AndroidもAppleにも対応していく」と25日の新商品発表会で改めてコメントしています。

車載インフォテインメントとスマホを接続する、という流れは車載器がDCMなどにより常時接続しようと大きく変わらないはずで、そうなると自動車メーカーやカーナビメーカーは両陣営の存在は無視できないわけです。スマホのOSを握る「Android」と「Apple」の対決は、車載シーンでも続くでしょう。

さらに、車載の情報系OSでは、WindowsやLinuxベースTizenなどがあり、Android、Apple陣営との競争もあります。

しかし、少し分かりにくいかもしれませんが、日本の一部の自動車メーカーやカーナビメーカーは、車載インフォテインメントの主導権をGoogleやAppleにみすみす明け渡すつもりは毛頭ないはず。

トヨタは次世代テレマティクスサービスである「T-Connect」を発表したばかりですし、日産は「カーウイングス」、ホンダは「インターナビ」を発展させると思われます。

クラリオンは、Googleとイナゴ社と共同で「Intelligent VOICE」を実用化していますが、あくまでキモとなるのは同社自慢のクラウドサービスの「Smart Access」。

また、アルパインと富士通テンも「車載プラットフォームの共同開発」で基本合意しており、次世代の車載インフォテインメントを送り出してくるはずです。

■トヨタの会話するクルマ「T-Connect」は何ができる?
https://clicccar.com/2014/06/23/259399/

■Appleが車載インフォテイメント「CarPlay」発表でカーナビがなくなる日が来る!?
https://clicccar.com/2014/03/08/248889/

■アルパインと富士通テンが共同開発するわけは?
https://clicccar.com/2014/06/24/259777/

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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