アウディA8のマトリックスLEDヘッドライトは、25個のLEDが電子制御により約10億通りの照射パターンを実現(動画記事はこちらhttps://clicccar.com/2014/04/04/251121/)するなど、最近のアウディはヘッドライトでも最先端を走っています。そして、既報のとおり、今年1月の「CES2014」で披露されたレーザーライト搭載車がついに登場しました。
レーザーライトの採用は、量産車ではもちろん世界初。今夏から欧州にてデリバリーされる「アウディR8 LMX」に先立ち、6月14日、15日に開催されるルマン24時間レースで「New Audi R18 e-tron quattro」に初めて採用されます。
このレーザービームは、ハイビームではヘッドライトにつき1つのレーザーモジュールがオールヘッドライトの倍の範囲で光を照射。
各モジュールは、4つのハイパワーレーザーダイオードからなり、その径はわずか300ミクロン(ミクロンは1/1000ミリ)で、レーザーダイオードが450ナノメートルの波長の青いレーザービームを発します。
さらに、蛍光体コンバーターがこれを路面照射に適した色温度5500ケルビンの白色灯に変換。これは人間の目にとって理想的なものだそうで、ドライバーが明暗のコントラストを認識しやすく、疲れを軽減します。
また、60km/h以上で稼働するレーザースポットがLEDハイビームを補完し、視認性と安全性を著しく向上させ、カメラベースのインテリジェントセンサーシステムが他車を認識し、これらに照射しないよう自動的にライトパターンを制御。
体感してみないと凄さは分かりませんが、ルマン24時間レースでその威力が実証されれば、アウディの「技術による前進」を照明で証明することになるでしょう。
なお、ルマン・エディションである「アウディR8 LMX」は、570ps/540Nmを誇る5.2LのV10エンジンを搭載し、最高速度は320km/h、0-100km/h加速は3.4秒でありながら100kmあたりの平均燃費は12.9km/L、CO2排出量は299g/1kmを実現。トランスミッションは7速Sトロニックが組み合わされます。
■アウディがLEDより進化したレーザーライトを採用へ
https://clicccar.com/2014/01/26/245065/
(塚田勝弘)