これまでにもお伝えしたとおり、中国でVW、ダイムラー、トヨタ、日産などが一斉に現地生産を加速する方向で動いています。
中国汽車工業協会によると、同国に於ける昨年1年間の新車販売台数は2,198万台(前年比+13.9%)で、今年は2,374万台となる予想。
今年3月の販売台数は217万台(前年同月比+6.6%)で単月として過去最高を更新しており、1~3月の累計についても592万台(同+9.2%)と好調を維持しています。
セダン系(311万台)の他、MPV/SUV系(136万台)の伸長が顕著。
国別ではドイツ勢が22%を占めており、全体では中国系(39%)、日系(14%)、米国系(13%)、韓国系(9%)、仏系(3%)の割合となっています。
またブランド別シェアでは独VWが14.9%、米GMが14.4%、韓ヒュンダイが7.3%、日産が5.7%、米フォードが4.2%、トヨタが4.1%、ホンダが3.4%の状況。
政府は現地生産車を対象に、EVに対して最大で5.7万元(約94万円)、PHVに一律3.3万元(約 55万円)の購入補助金を支給しており、大気汚染浄化を急ぐ必要性から2015年にはHVにも1.5万元(約25万円)の補助金支給を検討中。
世界の自動車メーカーがHVなどの環境対応車の現地生産を急ぐ理由がここに有り、 昨年中国で327万台(+16.2%)を販売したVWグループは今後ゴルフ「GTE」やアウディ「A3 e-tron」などのPHVを現地生産予定で、2016年にはVWの新型セダンやアウディA6のPHVを第一汽車との合弁会社で生産予定と言います。
ダイムラーは昨年40億ユーロをかけて中国合弁会社BBACの生産能力を増強する計画を発表。同工場では来年からメルセデスベンツ 「GLA」クラスを生産開始予定。
また米GMは第一汽車や上海汽車との合弁で「シボレー」など7ブランド計40車種で昨年1年間に過去最高となる316万台(前年比+11.4%)を販売。
高級EVメーカーの米テスラも今後3年から4年内に中国での生産拠点確保を検討中。
こうした欧米勢の活発な動きに対抗する日本勢では中国現地生産で5社目となるトヨタ自動車が年内に一汽トヨタから現地製新型「カローラ」と広汽トヨタから新型「レビン」を発売すると発表。
同社は昨年11月に江蘇省に研究開発拠点「トヨタ自動車研究開発センター」を設立。 来年発売予定の「カローラHV」ではHVシステムについても現地生産することでコストダウンを図る予定。
現在のラインナップ26車種に加えて2017年末までに15車種を超える新車を追加投入予定で、中国で6位に甘んじているシェアを早期に3位まで引き上げ、現状の倍増となる年間販売200万台規模の事業へと拡大する考え。
またホンダは広汽ホンダ(広東省)と東風ホンダ(湖北省)の2社で販売する車種数を2016年を目処に20車種程度に倍増させる計画。
2社間で使用するプラットフォームを共用することでコストダウンを図り、2015年までに既存モデルの全面改良を含めて中国に9車種を投入する計画と言います。
一方、中国で先行する日産は昨年127万台(前年比+17.2%)を販売しており、今年は更に15%上乗せする計画。
東風日産から「VENUCIA(ヴェヌーシア)」ブランド初のEVとなる「e30」を9月に発売する予定。
同社は現在「リーフ」を日本から輸出していますが、「e30」では電池やモーターなどの基幹部品も含めて中国広州市の花都工場で生産予定。政府からの多額のエコカー補助金を追い風にEV拡販を目指す構えのようです。
以上のように中国を舞台に日・欧・米の自動車各社が現地生産化を足早に推進している状況となっています。
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