以前に「BMWやVWの欧州勢が軽量コンパクトEVを年内に発売!」でお伝えした欧州勢のEVやPHVがいよいよ日本に導入されることに。
BMWは4月5日、ピュアEV「i3」内覧会をグランドハイアット東京で開催しました。
このクルマは大都市圏向けに専用設計された電動駆動モデルで、ボディの骨格部分にCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)、シャシー部分にアルミ材を採用。
ちなみにBMWが目をつけたCFRPの原材料(PAN)は日本の三菱レーヨン製。
米ワシントン州の専門メーカーSGLで炭素繊維に加工され、その後本国で布地化後、BMWのランズフート工場で製品に加工、ライプツィヒ工場で実車に組付ける流れ。
CFRP材の生産は非常に手間がかかり、先行して採用した日本のスーパースポーツ「Lexus LFA」と同様、鉄の10倍以上とされるコストがネックとなる訳ですが、BMWはCFRPの生産効率を改善して量販車に広く採用することでコストダウン。
BMW 「i3」は全長4,010mm、全幅1,775mm、全高1,550mm、ホイールベース2,570mmのボディに170ps/5,200rpmを発生する電気モーターや総電力量21.8KWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを96セル搭載しながらも1,260kgと、日産リーフ(1,460kg)と比べて200kg程度軽く仕上げられているのが特徴です。
最小回転半径が4.6mと非常に小さく小回りが利くと共に、日本仕様では本国「Mスポーツ」用のスプリング採用で車高をダウン、機械式駐車場が利用可能。
「eDriveテクノロジー」により、パワフルな発進と強力な加速性能を発揮。
充電時間は普通充電で7~8時間(200V)で日本の急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」方式にも対応。約30分で80%まで充電が可能と言います。
一充電当たりの航続距離はJC08モードで229km、BMW社内基準では走行モード「ECO PRO」の場合180km、「ECO PRO+」で約200km。
車両価格は499万円で、補助金交付額40万円の対象車。
また同時リリースの発電用2気筒ガソリンエンジン(647cc 38ps)を搭載した「レンジエクステンダー」版は546万円ですが、こちらの場合補助金交付額が75万円となる為、実質価格は471万円となり、ピュアEVモデルとの価格差12万円で航続距離が約100kmプラスされる計算。
欧州とは異なり、日本では補助金により、レンジエクステンダー搭載車の販売比率が圧倒的に高くなりそう。
いよいよ日本に上陸したBMWの本格EV「i3」ですが、年内にはVWがEV「e-up!」、来年には「e-Golf」を導入予定。
同グループのポルシェも4月2日にパナメーラ「S E-HV」を発売。
PHVモデルでV6 3.0Lのスーパーチャージャー付きエンジンとモーターでシステム出力416psを発生、32.1kmのEV(モーター)走行が可能。JC08燃費は12.3km/L。
またメルセデスベンツも「Bクラス」のEVをスタンバイしています。
このように欧州勢は日本製EVへの対抗モデルを逐次導入し始めており、航続距離不足で足踏みする日本のEV市場での反響が注目されます。
■BMW i3 Webサイト
http://www.bmw.co.jp/jp/ja/newvehicles/i/i3/2013/showroom/index.html
■ポルシェ パナメーラ S E-HV Webサイト
http://www.porsche.com/japan/jp/models/panamera/panamera-s-e-hybrid/
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