トヨタ自動車が今夏、FCV(燃料電池車)の本格量産を始めるそうです。
読売新聞によると、愛知県豊田市のトヨタ本社工場で1月6日、来年からのFCV発売に向け、心臓部となるFCVスタック(発電装置)の生産ラインが動き始めた模様。
部品に埃が混入すると発電能力が損なわれる為、生産ラインに半導体工場並みの巨大なクリーンルームを設置。当面1日1台のペースで生産する計画とか。
今夏に世界初となるFCVスタックの本格量産に入り、今年中に1,000台/年の生産体制を敷く予定と言います。今後はスタックの不良率を如何に下げるかが課題に。
トヨタは1月上旬に米ラスベガスで開催された「CES2014」に於いて、FCVに搭載した水素充填タンク2本で約480kmの航続距離を実現すると説明。
またFCVが持つ嬉しさとしてレクサスのHV並みに低い走行音や3~5分と短い水素充填時間、加速性能の良さ(0-60mph 約10秒)、最高速度の高さ(約160km/h以上)などをアピールしました。
また災害発生等の非常時にはFCVを家庭用の電源とすることが可能で、1週間の電力供給能力が有ると強調。
一方、ホンダも2015年より一般向けにFCVの販売を予定しており、2020年をターゲットに、米GMとスタックの小型化・低価格化に向けた共同開発を進めています。
日産は2017年の市販を目標にフォードとFCVの共同開発を進めているものの、水素供給ステーション網の構築には時間がかかるとして依然、軸足をEVに置いている状況。
同社の背後には年内にEVを日本へ投入する予定のVWやBMWが迫っています。
この先、次世代環境対応車は航続距離の課題を抱える「EV」と、大手石油業界や自動車関連業界が名を連ねる水素利用協議会「HySUT」を中心に早期インフラ拡充を目指す「FCV」との普及競争へ突入。
トヨタやホンダは近距離移動を小型モビリティなどの「EV」、中長距離移動を「HV」や「FCV」が担う構想を描いており、「EV」開発に莫大な投資を重ねて来た日産が今後どのような動きに出るかが注目されます。
■HySUT Webサイト
http://hysut.or.jp/
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