以前にお伝えしたとおり、日産が8月27日、米カリフォルニア州で開催したイベント「日産360」で自動運転技術の実用化を2020年を目標に進めていると発表しました。
また欧州では9月9日に「ダイムラー」が同じく2020年の自動運転技術の実用化を表明しており、高級EVでお馴染みの米「テスラ」も3年以内の実用化を発表。
このように俄かに現実味を帯びて来た「自動運転技術」ですが、きっかけになったのは米Google社が交通事故撲滅を目的にプリウスをベースに開発した自律走行車。
ルーフ上でクルクルと回転するVelodyne社製のレーザーレーダーを搭載しているのが特徴で、周囲360度方向を監視しながら走行します。
このレーダーは、レーザー素子を数多く搭載しており、周囲の障害物の位置を立体的に認識できるのが特徴。
しかしながら、このレーザーレーダーの価格は約900万円と高く、実用化に向けたコストダウンが大きな課題となっているそうです。
トヨタが開発中の自律走行車「Lexus LS600h AASRV」もレーザーレーダーをルーフに載せていますが、日産の場合は市販化を前提に、車両周囲にカメラやレーザースキャナー、ミリ波レーダーを設置。コストを抑えつつ自動運転を実現しています。
将来、自動運転技術が発達して「自動車事故が無い安全社会」が実現すれば、クルマ自体の構造が見直される可能性が出て来ると言います。
例えば、衝突安全対策によりクラッシュゾーンとなっている部分を廃してインテリア空間を拡大したり、重量増となっている部分の軽量化が図れる事で、燃費が大幅に改善出来るなどの付随効果が期待されているようです。
但し車間通信で走る「コネクテッドカー」でも言えることですが、「ヒューマンエラー」排除による交通事故根絶に大きなメリットがもたらされる一方で、懸念されるのが車両が受送信する「電波」をターゲットにした「ハッキング」。
電気・電子分野における世界最大の学会IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)も指摘しているとおり、悪意を持ったハッカーが自律走行車両のCPUや自動運転交通管制センターのコンピューターに侵入して意図的にあらゆる種類の事故を誘発させる可能性が潜んでいます。
従って、自動運転の実現には自律走行技術よりも、むしろハッキングを阻止する技術研究の方が喫緊の重要課題なのかもしれません。
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