ワゴンRがリッター30kmの世界に突入しましたが、なぜ29.0km/Lのスペーシアより大黒柱のワゴンRの方が後なのか?これは用意していたCVTの改良などの技術投入のタイミングだけの問題だそうです。しかし現行型ワゴンRは、2012年9月発売ですから今回の一部改良はわずか10か月で敢行されたことになります。
これはいうまでもなく、宿敵のライバルであるダイハツ・ムーヴの29.0km/Lや「スマートアシスト」などのCMをバンバン打つ戦略、ホンダN BOXの躍進により、今年6月など最近はこの2台の後陣を拝し、さらに後ろには日産デイズも迫り来るという、一瞬の猶予も許されない激烈な販売競争があるからにほかならないでしょう。
30km/L台の大台に突入したワゴンRの走りですが、街中を普通に走る分にはまったく違いを感知できなかったので、今回は「レーダーブレーキサポート(RBS)」と「誤発進抑制機能」について報告します。
まずRBSは、コスト面を勘案してレーザーレーダーを採用、フロントガラス上面に設置されています。カメラではないので歩行者や自転車の感知は難しいですが、ワイパーの作動範囲内に設置されているため、雨天時などでも作動するそうです。
条件は約5〜約30km/hで作動し、自車と前方車両の相対速度が約15km/h以下なら衝突を回避、相対速度が約30km/h以下のケースでは自動ブレーキで、衝突被害を軽減。
この手の「ぶつからないクルマ」は、いろいろなメーカーで体験していますが、身構えていることもあり、減速Gやシートベルトのテンションなどとくに心臓が止まるほどの衝撃でもなく、平均的なものに感じました。
また、誤発進抑制機能もレーザーレーダーで前方のクルマや壁、コンビニなどの障害物を感知するもので、前進時のみ作動。停車または約10km/h以下で作動し、コンピュータがアクセル開度をモニターしながら同機能作動中は、ブザーが鳴り、メーター内のアイコンが点灯します。なお、駐車場の段差などを乗り越えたい時には、ゆっくりとアクセルを踏み込むかオフスイッチを押せば解除でき、段差をクリアできます。
■スズキ「ワゴンR」
http://www.suzuki.co.jp/car/wagonr/
(塚田勝弘)