弱みだった燃費を一気にクラストップに引き上げ、長所も磨き上げたスイフトの走り

「デュアルジェット エンジン」の採用とスズキ自慢の「エネチャージ」を搭載するなどの一部改良を受けたスズキ・スイフト。早速開催されたプレス試乗会に参加してきました。

既報のとおり、日産が世界で初めて実用化したデュアルインジェクターの搭載がニュースで、ノッキングを徹底的に抑えながら圧縮比を11.0から12.0に高め、燃費向上と出力/トルクの両立を図っているのが自慢。

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なお、スズキの開発陣に伺ったところ、日産はデュアルインジェクターで特許を取得していなかったようです。

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「デュアルジェット エンジン」を積んだスイフトは、1.2L以上のガソリン車でトップとなるJC08モード燃費26.4km/L(FF)、4WDでも22.6km/Lを達成。変更前は「XLアイドリングストップ」で21.8km/Lですから、5km/L近い大幅アップ! なお、91ps/118Nmのパワー/トルクは変わっていません。

「デュアルジェット エンジン」はまず燃焼室形状の最適化が図られています。可能な限り球形状を目指したという燃焼室のコンパクト化、吸気ポートを小径化して流速向上(うずの動きが強まる)、ピストン上面の最適化が主なメニュー。

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1気筒あたり2つのインジェクターを設置することで、燃料を微粒化して噴射し、熱効率が向上することでノッキングを抑制。さらに、噴射タイミングの適正化で筒内温度を下げることが可能で、これによりノッキングを抑えています。

さらに、排ガスの一部を冷却して再循環かせるクールドEGRにより、ノッキング抑制効果を高めるなど徹底したノッキング抑制が図られています。

また、メーターデザインも変更され、メーターのカラーで高負荷時、エコランの低負荷時、「エネチャージ」による回生時がひと目で分かるようになったのも朗報でしょう。

さて、気になる走りですがパワー/トルクともに不変ですから、走りの印象は変わっていません。燃費を重視して出力特性を抑えたセッティングが日本の軽自動車やコンパクトカーの一部で見られますが、スイフトの魅力は走りにあり!という自己分析から遅くしてまで燃費を高めるセコイ手は使っていないわけです。

ただし、元々スペック的には余裕綽々というワケではありませんから、CVTをDレンジにいれて普通に走らせていると決して速くはありません。それよりもスイフトの美点であるやや手応えのあるパワステと、正確なハンドリング、軽快なフットワークを改めて確認できました。

さらに、今回の一部改良で新デザインの16インチアルミホイールが採用されていますが、これにより1本あたり1.15kgの軽量化を実現。バネ下重量の軽減が図られていますが、バネ上重量の増加でバネレートやブッシュなどは変わっていないようです。

しかし、チューニングが見直されており、定評あるシャーシ性能に抜かりはありません。個人的には走りもスタイルも国産コンパクトカーではかなり魅力的に映りますし、課題だった燃費も向上したわけですからもっと売れる存在になるはずです。

■スズキ「スイフト」
http://www.suzuki.co.jp/car/swift/

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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