VWで「Blue」と言えば燃費効率の良いモデルを表すネーミング。 VWはその中でもGTIに近いパフォーマンスを持つPolo「Blue GT」を昨年3月のジュネーブモーターショーに出展しました。
「Blue GT」は1.2TSIとGTIの中間を担うモデルで、VWが「MQB」 プラットフォーム用の中核として位置付けている最高出力140psの新型4気筒1.4L TSIターボエンジンを搭載。
同社が「ACT(アクティブシリンダーマネジメント)」と呼ぶ自動気筒休止システムの導入により、通常のガソリンエンジンでありながら、低燃費と高い動力性能を両立しており、大きな注目を集めています。
Polo「Blue GT」は欧州で昨夏に発売されましたが、日本では今年5月に発売された新型Golf の「TSIハイライン」に搭載され、Poloに先行する形で導入されました。
エンジン回転数が1,250〜4,000rpm、且つ発生トルクが最大8.6kgmまでの範囲内で4気筒のうち、第2・第3気筒の燃焼を休止させて実質2気筒化。
アクセルペダルを踏み込むとドライバーに全く意識させること無く、瞬時(13〜36ミリ秒)に燃焼を復帰させる技術で、 日本での走行を考えると多くのシチュエーションで動作することになる為、ガソリン消費量の低減が大いに期待出来そうです。
筆者も同エンジンを搭載するGolf「TSI ハイライン」に試乗してみましたが、確かにその中低速トルクは強大で、DSG「Sモード」で踏み込んだ際の押し出されるような息の長い加速感はまるでエアラインの離陸時のようで、いたく感動した次第。
販売店によると、このPolo 「Blue GT」がいよいよ9月に日本に上陸するようです。
Golf 「TSI ハイライン」よりもさらに70kg以上軽いことからその動力性能は推して知るべしで、0-100km/hが7.9秒と、兄貴分のPolo GTIと比べても僅か1.0秒差に迫る実力。 動力性能面で「GTI」に次ぐ「GT」の名に偽りは無さそうです。
欧州でのインプレッションによると、GTIと同じ15mmのローダウン サスペンションと、同サイズの17インチタイヤを履いた足回りはGTIほど固く無く、適度に引き締まった中にもしなやかで絶妙なセッティングになっている模様。
そして何といってもPolo 「Blue GT」の最大の魅力は欧州で最新の「NEDC燃費測定モード」の中で約70%の領域が2気筒運転でカバーされ、GTI(複合16.9km/L)の遥かに上を行く22.2km/Lの燃費性能を実現している点。
「走り」を楽しむのに必要以上に燃費に神経を尖らせなくても良さそうです。レッドゾーンの始まる6000rpmまでスムーズ且つ伸びやかに回りきるエンジンや、ロードノイズを低く抑えた静かなキャビンにより快適なドライブが可能に。
GTIとの外観差はラジエータグリルやフロントバンパー開口部内のメッシュ形状、フォグランプの有無、ドアミラー色(黒)、ホイール程度で、排気管もGTIと同じ2本出し。バックドアガラス両サイドにはGTIには設定の無い黒色の空力フィンが新設に。
インテリアもインパネ廻りはGTIと同仕様となっています。
全幅1,685mmで全長が4mを切るコンパクトなPolo 「Blue GT」は全幅1,800mmとなったGolfが大き過ぎると購入をためらっている向きにピッタリな一台となるかもれません。
車両価格はGolf 「TSI ハイライン」(299万円)やPolo GTI(299万円)よりも20万円以上安い270万円台となりそう。
実用性・経済性・スポーティ度の3拍子揃ったPolo 「Blue GT」の9月発売が大いに待たれます。
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