NAエンジンの良さを引き立てた、新型スバルXVハイブリッドの特徴とは!?

スバル4WDのNA車は、水平対向エンジンのレスポンスとリニアなパワー感、そして低重心4WDならではの圧倒的な安定性が魅力です。でももしハイブリッド化によって、これらの良さが失われてしまっては本末転倒ですよね。逆に「あったらいいな」と思うのは、「渋滞時のEV走行」と「電気ターボの滑らかなパワー感」。無駄なガソリン消費は減らしたいし、滑らかな力強さが加わると走りが一層楽しくなるからです。新型スバルXVハイブリッドは、そんな「あったらいいな」を具現化して登場しました。

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■特徴:NAエンジンの良さを引き立てるのが、スバル流ハイブリッド

新型スバルXVハイブリッドは、スバル独創の「水平対向2L・NAエンジン+シンメトリカルAWD」を、そのままハイブリッド化しました。そして「モーター単独の出力&回生」と「モーターアシスト走行」を両立。ノロノロ渋滞等の際は「EV走行」によって燃料消費を抑え、加速時にはモーターの協調駆動によって「電気ターボ」の様な上乗せパワーを発揮してくれます。更にモーター特有の滑らかさが、上級車らしい静かでスムーズな走りを提供。燃費もガソリン仕様から約26%の改善が図られ、20km/lの大台を達成しました。

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■使い勝手:ハイブリットなのにタコメーターが鎮座、アイサイトに新技も!

ハイブリッド化に伴う変更は、主に3点あります。1つ目はメーターで、ブルー照明の専用デザインを採用。スピードメーターと並んでタコメーターが収まると共に、インパネ上部モニターでは電気と動力の流れを表示してくれます。2つ目は荷室で、バッテリー搭載のため床面が上昇するも、後席背もたれを倒すと綺麗なフルフラットになるのはお見事。3つ目はスバル自慢のアイサイトで、ハイブリッドとの統合制御で、高速での自動追尾モード時にはEV走行を時速80kmまで拡大する「新技」を開発、ロングランでの燃費改善を実現しました。

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■バイヤーズガイド:ハイブリッドと協調制御するアイサイト仕様がオススメ!

新型スバルXVハイブリットは、ガソリン仕様のスバルXVに加わった仕様ではなく、新たに独立した車種として発売されました。価格帯は約250〜278万円で、ガソリン仕様のXVに対して約26万円高い上級車の位置付けです。仕様には標準とラグジュアリー、更にラグジュアリーではアイサイト仕様が選べます。新型スバルXVハイブリッドには、ハイブリッドとの協調制御による高速EV走行機能が搭載されますから、やっぱりアイサイト仕様がオススメです。

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従来のハイブリッド車は、燃費を稼ぐためにエンジンの気配を極力消そうとします。もちろんアクセルを緩める燃費走行も、新しいドライビングの楽しさだと思います。でもアクセルを踏んでエンジンを操る楽しさも、自動車の長い歴史の中で育まれたもの。スバルのハイブリットは、エンジンの弱味を補完すると共に、エンジン操作の楽しさを引き立てる上質な仕上がりとなっています。新型スバルXVハイブリッドは、NAファンの「あったらいいな」がしっかり結実していると感じました。

(拓波幸としひろ)

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