新型アコードハイブリッドから明らかになる「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」3種類のハイブリッドとは?

ホンダは「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を旗印にして、新世代のクルマ造りに取り組んでいます。その第一弾として、新開発「スポーツハイブリッドi-MMD」によって「燃費と走り」を両立した新型アコードハイブリッド(アコードHV)を発売しました。また更にホンダは、二の矢・三の矢の新技術を用意しています。そこでここでは、ホンダの新世代スポーツハイブリッド戦略について、紹介したいと思います。

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■「i-MMD」はHVだけじゃない、プラグインのアコードPHVも同時発売

実は2モーター式「スポーツハイブリッドi-MMD」は、新型アコードHVだけではなく、同時にデビューした「新型アコードプラグインハイブリッド(アコードPHV)」にも搭載されています。目立たないのは、官庁・法人向けのリース販売に限定しているためで、個人がマイカーで購入することはできません。価格も500万と割高なのも残念なところ。ただトヨタプリウスPHVも、最初は同じ様な状況でしたネ。アコードPHVも個人販売が始まる際には、更なる進化を期待したいと思います。気になる燃費性能は、EV走行距離37.6km、JC08プラグインハイブリッド複合燃費はトップの70.4km/lをマークしています。

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■次期フィットHVには、コンパクト車用の1モーター式「i-DCD」を搭載

現行型のインサイトやフィットHVは、エンジンに1機のモーターが直結した「IMA」を搭載してきました。構造がシンプルでコストも安い半面、モーターが常にエンジンと一体で稼動するため、モーター単独での走行や回生ができないなど、構造上の課題がありました。新開発の1モーター式「スポーツハイブリッドi-DCD」は、エンジンとモーターの間にクラッチを置き、モーター単独走行や回生、エンジンアシスト等を自在に切り替えられるようにしました。またミッションは欧州で主流の7速DCTを組み合わせ、次期フィットHVに搭載するべく鋭意開発中とのこと。トヨタアクアとのライバル対決に、大いに期待したいと思います。

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■3モーター式HVもある、FF4WDもミッドシップ4WDもOKの目から鱗の新技術!

ホンダハイブリッド戦略の決定版が、3モーター式の「スポーツハイブリッドSH-AWD」です。FF4WDの最大の特徴は、リヤタイヤの左右に1基づつ配される小型モーターで、なんとコーナーリング時に内輪側は回生で減速し、外輪側は出力して増速するというもの。その回転差を生かして、大型車のコーナーリング性能を飛躍的に向上させるだけでなく、内輪の回生で外輪の出力をまかなうという画期的なシステムなのです。しかも、前後をひっくり返してミッドシップに搭載すれば、スーパースポーツ4WDの次期NSXが見えてくるのですから、本当に素晴らしい! ちなみにメインユニットは「V6・3.5Lエンジン+1モーター+7速DCT」で「2モーター」とセットで開発が進められています。

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これら3種類のスポーツハイブリッドやPHVでも充分凄いと思いきや、更にホンダは「1.6リッターV6直噴ターボ+エネルギー回生システム」にダウンサイジングするF1に、2015年からエンジンサプライヤーとして復帰することを決定。しかも伊東社長は「市販車は、ガソリンやハイブリッドだけでなくディーゼルもやっていく!」と表明していますから、ガソリンもディーゼルもハイブリッドも、更にはEVも燃料電池までも「EARTH DREAMS TECHNOLORY」を徹底的に推し進めていく覚悟なのですね。技術目標を見定めた時のホンダは本当に凄いですから、なんだか期待を通り越してワクワクしてきました!

■ホンダ「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」 http://www.honda.co.jp/tech/earth-dreams-technology/

(拓波幸としひろ)

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