ボルボのフライホイール式エネルギー回生システム

4月25日に発表されたボルボのハイブリッド技術「フライホイールテクノロジー」。80馬力を6秒間蓄えることができるということで多くのメディアに取り上げられ話題となっていました。

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■VOLVO CARS プレスリリース(英語)
Volvo Cars tests of flywheel technology confirm fuel savings of up to 25 per cent
https://www.media.volvocars.com/global/enhanced/en-gb/Media/Preview.aspx?mediaid=48800

英語が理解できてもわかりにくいと思いますが、下の動画のアニメーションをご覧いただければより理屈が理解できると思います。

リアの中央に搭載された回転物体がボルボのいうところのフライホイールテクノロジー、今どきの言い方をするとKERS(Kinetic Energy Recovery System=運動エネルギー回収システム)となります。

他のハイブリッドシステムと大きく違うところが運動エネルギーを回収し貯蔵する場所が電池ではなくフライホイールというところなのです。フライホイールで貯蔵するという方式で思い出されるのが、世界耐久選手権で活躍するアウディのR18 e-tronクアトロ。

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こちらはF1のウィリアムズが設立したウィリアムズ・ハイブリッド・パワー社のフライホイールシステムを使っています。

両方の動画を見て勘のいい方ならもうお解かりかと思いますが、アウディとウィリアムズのシステムはフライホイールを発電に使用してモーターを回していますが、ボルボのシステムは特殊なトランスミッションを使ってフライホイールのエネルギーを直接リアタイヤに送っています。

どちらが優れているか?という議論は他に譲るとして、同じフライホイール式ハイブリッドでも、開発が進んでどんどん多様化してきているという事実がそこにはあります。リチウムイオンバッテリーの信頼性に疑問を呈する事故も増えている昨今、電池を使わずにエネルギーを回収する技術も進歩しているようです。

(文・レース写真:北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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