2030年でもハイブリッドやEVは1割、ガソリン・軽油車が9割も!? NHK報道の真相は?

当サイトでもかねてより低公害車についてお伝えして来ていますが、NHKが最近のニュースで興味深い将来予測を報道しました。

それによると、2030年に於ける世界の自動車販売全体数 1億2400万台のうち、HVやPHV、EVなどが占める割合は11%(1364万台)程度で、残る89%(1億1036万台)は従来のガソリン車やディーゼル車が占めているとしています。

VW XL1
VWの超低燃費車  XL1

その理由として、充電設備の整備などが課題となってEVの販売が伸び悩む一方で、エンジン車の燃費性能が急速に向上していることを挙げています。

この予測は調査会社「㈱富士経済」が世界の自動車メーカー21社や先端環境対応技術を扱う自動車部品メーカー、消費者への聞き取りなどを基にまとめたもの。

米国でシェールガスの採掘技術開発がさらに進んでガソリン価格が下がることが予想され、当分はエンジン車が主流の時代が続くとみているようです。

VW XL1

では2030年に於けるシミュレーション内容をもう少し詳しく見て行きましょう。 

【日本】 市場全体:433万台 HV:148万台 PHV:11万台 EV:34万台
HV、PHV、EVのシェアが44.6%を占める。2020年にHVが成熟期を迎え、2025年にはPHVとEVの構成比率が増加。但しPHVは価格やインフラがネックとなり2025年以降は需要が停滞。EVも2025年以降軌道に乗り始めるものの、世界一厳しい日本人の要求を満足させるには様々な課題克服が必要となる。 

【北米】 市場全体:1856万台 HV:373万台 PHV:73万台 EV:81万台
EVが4.4%に増加、HV、PHV、EV合わせて28.4%を占める。ZEV規制でPHV推進政策が奏功し、EVとPHVが一定の割合で市場を拡大。但し本格的普及は2025年以降で中大型車はHV、小型車はEVで棲み分ける。 

【欧州】 市場全体:1400万台 HV:255万台 PHV:77万台 EV:130万台
HV(ディーゼルHV含む)が18.2%まで増加、HV、PHV、EV合わせて33.0%を占める。EVは都市部を中心に9.3%まで増加。「CO2排出量95g/km」規制に対して一定量のHVやEVを投入して2030年前後のEV時代まで切り抜ける。 

【中国】 市場全体:3523万台 HV:27万台 PHV:15万台 EV:57万台  
官主導でEV推進策を展開するものの需要増加が電力不足を招き、HVまで補助金枠を広げる動きが出る。しかし技術力不足の為、EVをプッシュせざるを得ない。電動二輪車の需要が拡大する中、2015年頃より、マイクロEVなど参入障壁の低いカテゴリー市場が拡大。 

VW Beetle
VW Beetle

こうして世界全体を見ると、やはり日本がHVを中心に低公害車の販売が伸び、次いで欧米自動車メーカーがHV化を躍起に推進する構図となるようです。

一方、中国では国策のEVの販売が振るわず、低公害車の比率が3%弱に留まっています。 

VW Beetle

NHK報道の2030年に於ける世界全体の低公害車販売予測が11%に留まっている要因は中国のEV事情に起因しているようで、日・米・欧に於いては今後も低公害車の販売比率が順調に伸びるとみてよさそうです。

EV販売が伸び悩む中国で、大気汚染対策によるHV需要が高まれば、日本車メーカーにとって大きなチャンスに繋がるかもしれません。

■富士経済 Webサイト
https://www.fuji-keizai.co.jp/index.html 

〔関連記事〕
・「本当の低公害車」を考える!地球に最も優しいシステムとは?
 https://clicccar.com/2013/04/01/216759/

・危機的状態にある中国大気汚染の原因を取り除き、解決に導くのは日本車だ!
 https://clicccar.com/2013/02/07/212234/

 (Avanti Yasunori

この記事の著者

Avanti Yasunori

Avanti Yasunori 近影
大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからのクルマ好きで、免許取得後10台以上のクルマを乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。