11月16日(金)~18日(日)、愛知県主催で愛・地球博記念公園(モリコロパーク)にて「クルマ未来博2012」が開催されました。
会場には昨年同様、多くの次世代自動車が展示され、音楽プロデューサーでモータージャーナリストの松任谷正隆氏や竹岡 圭さんによる「未来のクルマ、その可能性」と題したトークセッションなどもとり行われました。
他には「プリウスPHV」や「日産リーフ」、「三菱 i-MiEV」、トヨタの一人乗りEV 「COMS」などを自身で試すことが可能なEV・PHV体験コーナーも。せっかくの機会なので筆者も会場内試走コースで「COMS」に試乗。
ドアが無いことで速度と共に車内外で高まるモーターの高音域成分の大きさやショート・ホイールベースに起因する凹凸路でのピッチング、その他アクセルレスポンスなどを確認。
続いて「i-MiEV」にも試乗。流石に400万円近いクルマだけに車内の静音処理がしっかりしており、バッテリー積載に伴う重量増(+200kg)も低重心化に奏功しているようで、とても軽自動車がベースとは思えない落ち着いた挙動にちょっとした驚きを覚えた次第。
以前に試乗した日産リーフもそうでしたが、重量面でのハンディと引き換えに静粛性や乗り心地の面でEV車が有利であることを改めて実感。そして会場には先日ご紹介したトヨタ86のEVバージョンとなる「FT86EV」が出展されていました。
製作したのはレクサスLFA用のギア生産などを手掛ける大阪のギアメーカー「繁原製作所」。人気のトヨタ86を早くもEV仕様にコンバート。8月5日に開催された「2012 Ene-1GP SUZUKA」のEVパフォーマンスチャレンジクラスに「繁原ウェルマーEVレーシングチーム」として出場していきなり総合優勝するなど、大活躍の「FT86EV」。
リチウムポリマーバッテリーを搭載しており、車重は1460kg(ベース車+230kg)。日産リーフよりも60kgほど軽量で、航続可能距離は250kmとか。
続く10月28日には雨模様の中、富士スピードウェイで行われた「全日本 富士 EV 50kmレース大会」でEV-C(コンバート)クラスに出場し、同クラスのTOYOTA 2000GTSEV(トヨタ自動車東日本製)やMR-e、RX-7を抑えてクラス優勝。(動画の04:40以降)
下の車載動画ではレース中の車室内モーター音や鋭い加速の様子が見れます。
この車両に搭載しているモーターはUQM社の小型モーターで出力75kw(102ps)、発生トルク240N・m(24.5kg・m)ながら、ノンシンクロの4速「ドグ式ミッション」との組合せでモーター回転を抑える事が出来る為、電費の良い4000~6000回転を使って電力消費を抑えていると言います。
モーターやバッテリーの発熱も抑制できる為、強大なパワー(215kw、401N・m)を誇るテスラ・ロードスターとも十分勝負することが可能に。
繁原製作所によれば「EVにミッションは必要無いとよく言われるが、小さなモーターでもドグ式ミッションと組合せればより速く、長く、安定して走ることが可能」と言います。
早くも登場したトヨタ86のEV仕様車 「FT86EV」。得意とする自社製ドグミッションで小型軽量モーターの性能を存分に引き出すアイデアには本家のトヨタもビックリかも。 今後のレースでの活躍が注目されます。
■㈱繁原製作所
公式HP http://www.shigehara.co.jp/
Blog http://2speed-ev.com/
【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】https://clicccar.com/?p=205277